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エッセイ【ん?私って起業してたのか!?】

「家をも国をも富ますわざに、いそしむおのこをうちに助け♪」

という母校(高校)の校歌を愛する私は、いつか夫を後ろで全面的に支える妻になりたいと、そんなことを夢見る乙女だった。
あなたの苦手なところは私がカバーする、全力で応援するから、あなたはあなたの夢を追って好きなように店を開いて欲しい。そう伝えたあの時の言葉に嘘はない。

もうすぐ開業13年になる店の表の部分はすべて夫がひとりで。外からは見えない部分のフォローは妻である私が。
人を補佐するのが好きだ。黒子役がいい。
でも、夫が店を開店させた時ふっと思った。

「彼は自分の店を持つという夢を叶えた。私も本を出すという夢を叶えたい」

夫が夢を叶え私が自分の夢を追いかけ始めた時に、長男が学校宿泊行事での出来事がきっかけで精神を病んでしまった。スクールカウンセラーや心療内科の先生のお世話になるうちに、私自身もしっかり学ぼうとカウンセリングやセラピーの勉強を始めた。

本を出版するという夢を叶えるために始めたブログに、長男に起きた事件のこと、学校との話し合い、長男の心とどう向き合っていったかを赤裸々に書き綴った。そこにプラスして、子どもたちの不思議な発言(天使と遊んでいた話や生まれてくる前の話、見えないカエルが家にいっぱいいた話などなど)もどんどん書いていった。そのうちに、いろいろな人からお悩み相談メッセージが届くようになった。
セラピーの学びでお世話になった方に「正式にプロのメンタルセラピストとして活動したら?」とのアドバイスをもらい、【お悩み相談に乗ります】とブログに書いたあの日から予約が切れることなく今に至る。気づけば今年でカウンセラーとして開業届を出して10年が過ぎた。

あれ?
自分が自宅起業しているなんて自覚がなかった。夢を追いかけている途中で今の仕事のスタイルが出来上がっていた。家のことも子育ても店の裏方も本のこともカウンセリングも講座も……なんだかいっぱい働いてる。仕事抱えすぎ?

まあ、いっか。母校の校訓「怒るな働け」が座右の銘の私だし。


注釈*2021年4月に書いたエッセイです。主人の店は昨年(2023年12月末)閉店し、次男はこの春から社会人となり子育ても卒業しました。今は夫婦で次の夢に向かって準備を始めているところです。

★エッセイの元になった課題本

★文章執筆サロンで学んでます


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