エッセイ【これこそが、私のいつものパターン】
結婚して夫の両親と同居することになった。義両親のことは大好きだったし、私から希望しての同居生活の始まりだった。けど。
決まったリズムで生活し、そのパターンが崩れることを嫌う義両親と、パターンになんてハメられるわけがない幼い子どもたちのお世話との間で、知らないうちに心労が溜まっていたのか……
ある日、右目の見え方がおかしくなり、それから数日して、娘に授乳しようと立ち上がったら、そのまま眩暈がして倒れた。かかりつけ医に自律神経失調症と診断され、治すには同居を辞めることが一番の近道なんじゃないか、と言われた。
その後、近距離別居にしたことで、自由に子どもたちやお天気や気分に合わせた生活リズムで暮らせるようになり、あっという間に元気復活。というか、若い時よりも遥かに元気になった。
思えば、決まった時間に起きて決まった場所に行き決まったメンバーと共に決まったように働く、という普通のことができないのが私だった。それなのに、なぜ結婚して子どもが生まれたらちゃんとできるようになると思ってしまったのだろう。
いつものパターンじゃなくなるからという理由で、食事もお風呂の時間からなにから崩さないようにするために、子どもたちに言うことを聞かせるだけで毎日ぐったりしていた。そりゃそうだ。同じ時間に同じように仕事に行って同じことをやるのが、どんどんつらくなる性質。まともに、ひとつの職場に長く務めることができないような私だったのだから。
「自分」の本質は、なにか大事(おおごと)が起きないとなかなか気づけないものなのかも。
今は、同時並行で複数の仕事をこなしている。これがほんとに楽しい。頭の使う場所も違ければ、関わる相手も違う、もちろん時間も場所もやってることも。アナログとデジタルと。早朝の時と深夜の時と。毎日複数の選択肢を持ち、違うパターンで生きる。
そう、これこそが私のいつものパターン。元気のもと。