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旗揚げ公演「オルター・エゴ」を終えて(雑多書き)

2023年4月30日
旗揚げ公演からおよそ2ヶ月が経った。
未だ足音を響かせている新型コロナの報告も無く、各所決算を終え全ての工程が終了したのは公演から2週間後のことだ。

本当に多くの人たちに支えられ、旗揚げが叶ったと思う。1500円という決して安くないチケット料金を70名の方からお買い求めいただき、実績も無い劇団が二足歩行を始めるところをあたたかく見守ってもらった。
投げ銭とたくさんの差し入れまでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。

正直、実感はない。
旗揚げ公演までの2ヶ月間死ぬほど忙しかったはずなのに、余韻が全然来ないのだ。
なんならまだ走っている感覚すらおぼえる。

脚本の鈴木保斗、客演の仲野・西田・長原・下川原をはじめとして、たくさんの方が今回の旗揚げに関わってくれていた。
当日スタッフを含めて総勢20名弱。
「演劇をやりたい!」という僕の思いが形になった時、こんなふうになるんだなと。
本番当日の昼、スタッフ向けゲネプロの前の総ミーティングで、アトリエいっぱいに円になったスタッフたちを見てはじめて思った。

「この人たちは僕のために集まってくれているのだ」と、いささか小物感溢れる感想で申し訳ないが
そんなことを思ったのを覚えている。

能力が秀でているわけでも、経済的な支援をしているわけでも、人望に溢れている訳でもない自分がここに立てているのは、明らかにみんなが「立たせてくれている」のだと。
正直何を喋ったかもあまり覚えていない。
ただその時、自分に出来ることは人を集めることくらいしか無いなぁと思った。

今回の公演は2日間、合計3公演を敢行した。
見に来てくださった方々なら誰の目にも分かると思うが、公演自体の完成度としては明らかな成功とは必ずしも言えないものだったと思う。
「誰しも挑戦するからには失敗は付き物である」と思っているし、なんなら今回は失敗の為の挑戦でもある、とすら思っていた自分もいた。

それでも、悔しかった。

見に来てくれたお客さんはどんな気持ちで会場を後にしたのか、僕らに向けてくれた顔からはとても想像は出来ない。

きっと今回の未熟な公演を間近で見てきた公演関係者・そして期待を込めてご来場下さったお客様は、もしかしたら「もういいや、これがゲネプロね、はいはい、何となくわかったよ了解ー」と思っているかもしれない。

今はそれでいいな、とも思っている。
実力以上の評価がされるのはきついだけだし、
逆にここから目を離した隙に大化けしてやろう、そしたらかっこいいじゃん、なんて。
自分がめざした場所にたどり着きたいという無謀な執着があるのだと思う。

そして今回はそれ以上に多くの経験をすることができ、そしてやりたいことができたのだ。
劇団を立ち上げることから始まり、高校時代地元で見ていた舞台で公演をすること、SNSで繋がった方々と舞台にアーティスティックな厚みを作る事、受付や制作面でも今できる限りのやりたいことをふんだんに詰め込んだつもりだ。(まだまだやりたいことは100万個くらいあるが)

道東1遊び心に溢れる劇団を自負するために、
「出来ないと思うことをどうすればできるのか」
という視点を忘れず、これからも皆様をあっと驚かせたり、時には「なんだこれ」とニヤついてしまうような仕掛けを沢山まぶしたいと思っています。

お客さんとして見に来ていただけることももちろんですが、制作現場を覗いてみたり、時には一緒に創作活動をしたりなんて言う、アーティストの共同コミュニティのようなものになれたら1番いいなと思います。

演劇は総合芸術と呼ばれます。
音、光、絵画、服飾、映像、舞台装置を初めとし、そして人体そのものや魂までも組み込んで作品にすることが出来る、懐の広い芸術です。
だからこそ、「観る」ことももちろんですが、「創る」ことにも多くの楽しみがあって、だからこそ令和の現代でも演劇は廃れないのではないかと思うのです。

もしもあの旗揚げ公演を見て、演劇をやりたいと思ってくれた方がいたなら、そんなに嬉しいことはありません。
あなたのその気持ちの為に、演劇を作ったと言っても過言では無いのですから。
そして道東で演劇をやりたいと思っている方、
劇団動物園さんも含め、北見市には現在劇団が2つあります。道東全体だと5個くらいの劇団が現在進行形で活動しています。
そして、どの劇団も「演劇をやりたい」と思っている人たちを心待ちにしているのです。
どうかその気持ちを持ってして、やりたいことをやってみてください。ダメ元でも構いません。

その瞬間は、きっと後から思い返した時に、決して無駄ではなかったと思えるのではないでしょうか。

Generalprobeでは現在、2023年12月〜あたりに第2回公演を予定しており、既に制作が少しづつ始まっています。
しかし、まだ座組は決まっておりません。
役者や制作・演出補佐、アートスタッフ、色んなたくさんの「はじめまして」からはじまる化学反応が公演の厚みに直結すると思っています。
まだ見ぬ景色をめざして走り続けますので、
何卒劇団Generalprobeを、よろしくお願いいたします。

また、代表の鈴木は現在、2023年6月に行われる劇団動物園さんの第5回客演夏公演であります、鈴木アツト(劇団印象)作「青鬼」に出演の為日々稽古をしています。
3月に公演を終え、演劇三昧の生活を送っています。
そちらもぜひご覧いただけましたら幸いです。

また近々。