魅惑との出逢い 〜「スウィングボーイズ」物語2〜
スタンダードジャズやビックバンドという言葉を知ったのは、「スウィングボーイズ」に出会ってから。
耳にしたことのあるメロディ達、これはそういうジャンルなのかと、世界が広がりました。
遊ぶピアノ、踊るドラム。
サックスの色っぽさに誘われて、
俺様トランペットに手を引かれ、
そっとトロンボーンに支えられる、魅惑の音楽。
「スウィングボーイズ」の劇中の音楽は、ほとんど既成のジャズ音楽で、実はラストはショーになっています。
オーバーチュアでも使われた『Moon Light Serenade』、『In the Mood』に加え、『Chattanooga Choo Choo』、『スウィングしなけりゃ意味がない』、『sing sing sing』を、ボーイズ達の演奏とガールズの歌とダンスで。
曲名を見てピンとこないと思われる方も、メロディを聴けば、きっと、聴いたことがある!となるような有名曲たちです。
そんな魅惑のジャズ批評の第一人者、瀬川昌久先生。先生が、この作品の原作者でいらっしゃいます。
前回書いた通り、先生のあたたかなナレーションのお声で、舞台が始まります。
先生は「月刊ミュージカル」の編集長でもいらっしゃり、色んな現場でご挨拶させていただくことが出来ました。
私の顔と名前も覚えて下さり、特に、サンハロン企画の「上海、そして東京の屋根の下で」というお芝居で、私が李香蘭役をさせていただいた時は、先生自ら楽屋でお声をかけて下さり、嬉しいお言葉を沢山いただいたのを、本当に光栄に思っています。
先生がお元気でいらっしゃるうちに、なんとかもう一度「スウィングボーイズ」の再演を!と強く願い続けておりましたが、
昨年末、先生は空へ帰って行かれました。
ジャズに溢れて、笑顔で過ごされていらっしゃるのだろうな、と思っています。
いつか、と言っていたら、いつかなんて来ないのだと、身に刻まれます。
落ち着いたらね
最近この言葉が飛び交っていると思いますが、
私は嫌いです。
いつか、と同じだなぁ、と。
もちろん、落ち着いて欲しいと願ってはおりますが。
話が逸れました。
今日はここまで。
次回は、ジャズを舞台で演奏した方々のお話から。
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