言葉を取り入れるキャパが欲しくなる本
読書記録6日目
まにまに
著者 西加奈子
最近エッセイにはまっている。
今回は西加奈子さんの。
このエッセイの魅力は関西弁にある気がする。
ほな!ええやん!とか鋭くて読んでてスカッと心地いい。
西さんは例えがとてもうまい。
この気持ちは〇〇を体験したときに似ている。
という感じの表現がよくしてあった気がする。
この表現は読み手の「めっちゃわかる!」のボタンを押してくれる。
日常のちょっとした違和感の察知がとてもうまいのだなと感じた。
自分が感じたまま、真っ直ぐに見たもの、
それを信じている。
世界をフラットに見たい。
人間をフラットに見たい。
わかる。
だがもちろん、それがとても困難なことであることも、分かっている。
わかる。めちゃくちゃわかる。
わかっているけど言語化すると現実味が出てきて怖い。でもそれを真っ向から受け止める強さを持っている。
素敵だ!と思う。
第4章の本のこと、では西さんの読んだ本が紹介されている。紹介されている本を全部読みたくなる、感想が書かれている。
めちゃくちゃ本を読んでいるのだなとわかる。
その経験は西さん自身をつくっていて、読んだものを自分のものにしているのが伝わってくる。
今まで読んだ本の中で、人生に影響を与えなかった本なんてないから。例え億劫がりながら読んだ読書感想文用の本でも、閉じたそばから忘れてしまった本でも、そこに綴られていた言葉は確実に私に浸透し、私のなんらかを形成している。
くぅぅ!痺れた。
学校の課題で面白くもない教科書や論文、本を読まなくてはいけないとき、無駄やな〜なんなんこれ〜と思うことはしばしばで、でもこれを読んだときに、そういう発想もあるのか!自分のものにしさえすれば無駄も無駄でなくなるのかああ!と思った。
どんな言葉でも取り入れられる包容力が凄みを帯びてる人だなと思う。
素敵な本だった。
とりあえず目の前の読みたくない論文を読もうと思う。
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