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元気でやってるか、場所はスタバであっているか


本が読みたくてスタバに来た。

私のななめ前に座った男性(おそらく学生さん)はピンクの蛍光マーカーをたくさん引いたテキストを開き、アップルウォッチで時間を計り勉強を始めた。


私がスマホを取り出したり、本の内容に声を出さずクスッと笑うだけで学生さんはこちらを見る。
新しいお客さんが入ってくると店員さんより早く反応して入り口を見るし、返却コーナーに人が来る度に律儀にそちらを見る。仲間との会話が盛り上がり高めの笑い声が聞こえるとそちらを見る。キョロキョロ。キョロキョロ。しまいには何も起こってないのにどこかを見ている。



いや君、全然集中できてないやないか。

身に覚えがありすぎてなんか辛くなってきたわ。
家じゃ勉強できないよな。スタバで勉強って憧れるよな。
試験とか近くない?大丈夫?
場所のチョイス、スタバで大丈夫そ?

まず視覚情報と聴覚情報のシャットダウンが必要だと思うよ。席の座る向きを反対にして、ノイズキャンセリングイヤホンつけたらマシになると思う。
ちなみに私が今つけてるSONYのイヤホン、いいよ。貸そうか?


自分の学生時代の試験前を思い出しておせっかいに心の中で話しかける。私の心の声が聞こえたのか、キョロキョロの途中で彼の目が私を捉える。やばいと思い心の中で黙る。



店内が混んできたので、私はスタバを後にした。
本をしまい、コップを返却する際に視線を感じながら。



彼は今日も元気にやっているだろうか。試験は大丈夫だっただろうか。
もしかしたらあの定期的なキョロキョロこそ、彼が編み出した記憶を定着させる勉強法だったのかもしれないけれど。




※今回、見出しの画像に初めて「みんなのフォトギャラリー」という機能を使ってみた。ワクワクするしくみがあるんだなぁと感激した。
今までは自分が撮った写真を見出し画像に使っており、「合う写真がないと書きたい文章を投稿できない」という謎現象が起こっていた。
みんなのフォトギャラリーで「イラスト コーヒー」と検索した中に中川貴雄さんの絵が出てきて、サクッと体の中心を射抜かれた。
地球を飛び立つエスプレッソマシン、めちゃくちゃかわいいのでぜひ画像右下のお名前をタップして全体像を見ていただきたい。

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