tanka #1
#tanka つければ許される黒くよごれたわたしのこころ
二十年生きても「おとな」になれなくて五十年後もそんな気がする
れいぞうこ、あけてもみつからなかったな、いつかのわさび、わたしのいばしょ
キリトリセン切れたためしがありません はみ出つづけた人生でした
傾いた地軸のように斜めだし、わたしひとごとみたいに恋する
「きみが好き」言葉にすればあまりにもシンプルすぎてテンプレすぎて
夜の風かすかに冬がまぎれててきみといると痛いきみとばっかいたい
傷の名も跡もうすくはなったけど 消えないままの痛みがあること
ゆるされて生きる あなたを傷つけたこととか深夜のラーメンとか
きみにとけたいとけれない わたしたち一人と一人だから独りじゃない
ゆっくりと今このからだをたしかめて きみのいない夜にだって生きていたい
きみが呼ぶその名をきくとき すきな人のすきな人までふくむ愛をしる
いずれまたすれ違うときは会釈など軽くお茶などラブホテルなど
とうめいな まぶたのうらで おちていく あおいさかなに なまえをつけて
だれひとり息もできない夜にしか溢れないおと綴れないうた
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