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文脈のなかで、ひとの個性は輝く。-配役家 森正祐紀さん-

ポートレートと言葉をまとめた「portory.」。
人生の節目を記録する、ちいさな写真集です。

今回は、配役家・森正祐紀さんの節目のこと。


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森正祐紀(もりまさ・ゆうき)
配役家。キアズマ代表/仕事旅行社 編集ライター。メイン事業は広告キャスティング。広告・編集・キャリア・教育のフィールドを横断しながら、「らしさが活きる関係づくり」に取り組む。去年秋から東池袋に居を移す。ひがいけでの暮らしを楽しむ方法を模索中。音楽と本と日本茶が好き。
note:https://note.com/ymo1001bpm/archives/2020/06


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僕は、「その人らしさ」を発揮するには、どういう環境や関係が必要なのか。その問いに対する答えをずっと探してるんです。


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「その人らしさ」が発揮された瞬間を見るのが好きなんです。その瞬間ってどんなときかというと、自分と合った「文脈」と出会ったときなんですよね。「文脈」っていうのは、つまり、環境とか関係とか。

“配役”は、「その人らしさ」を発揮できる文脈との接点をづくりだと思ってます。

世の中に、絶対的にできる人とか、絶対的にダメな人っていない。置かれた「文脈」しだいで、できる人って言われたり、ダメな人って言われたりするんですよね。


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新卒でキャスティング(配役)の会社に就職して、そのあと独立してから今まで、広告や芸能の世界で配役をやってきたんです。CMの出演者をキャスティングするとか、ですね。

独立までに、配役の技はある程度極めた感覚はあって。だから、30代になってから、配役の概念を広げられないかなって思うようになりました。

これからやっていきたいのは、職業選択やまちづくりの領域での“配役”。

まちをつくるときに、その地域にいる人たちにどう役割を提供するのかって“配役”だし、より個性がかがやく仕事との出会いをつくるのも、“配役”なんですよね。


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“配役”で嬉しい瞬間は、人がその「文脈」にはまって、生き生きとしてる姿に触れたとき。その役をきっかけに、次のステップに踏み出せたりしたときなんて、めちゃくちゃ嬉しいです。


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原体験は、子どものころに観てた「戦隊モノ」。

戦隊って、レッドやグリーンやピンクがいて、なかには体力無いやつがいたり、性格がわるいやつがいたりする。

でも、みんながまとまると、つよい。ハーモニーというか。一人ひとりが違うこと、それ自体価値なんだって、子どもながらに観ながら考えてましたね。

誰をレッドにするか、誰をグリーンにするか、誰をピンクにするか……。その工夫によって、良いハーモニーがでてくる。そこの妙みたいなもの。その価値を感じたのは、「戦隊モノ」がきっかけだったな、と思います。


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多くの人が、すでにある仕事や働き方という「型」に、自分をあてはめがちですよね。今だったら「リモートワーク」みたいな働き方が話題だから、それをやろう、ってなる。

でも、“配役”って、型にはめることじゃないんですよ。そんなふうに、自分を区画整理しなくていい。

人ってアメーバみたいに、境界線がなくて。でも、不安だから型にはまろうとするんだけど。ほんとうは、自由に、自分で生き方をつくっていくことができるんですよね。それはつまり、自分の人生っていう物語に、自分自身を“配役”するようなイメージかもしれない。

みんなが、外側にある型にはまるんじゃなく、自分で型をつくっていくことができたらいいなと思います。

僕は、みんなが自分の型をつくっていくことができるように、環境や関係との接点を見つけるお手伝いをする。それを続けていれば、社会全体の“配役”になるかな、なんて思っているんです。


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(撮影・聞き手:山中康司)

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