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オンラインミーティングでは、BGMをかけてみる。リモートワークでも「一緒の場にいる感」を得るための工夫あれこれ

アンパンマンは「からだ」がなければただのアンパンである。

おなじように、僕らにとっても「からだ」は欠かすことのできないものだ。


オンラインでの会話にものたりなさややりづらさを感じる、という声を聞くことが増えてきた。

「たしかに楽だし、幸福度も増してるけど、相手との感情面でのやりとりが難しいんだよねえ」と。例えば一緒に仕事をするメンバーのモチベーションを維持したりすることがなかなか困難になっているという。

僕もリモートワークで結構快適に毎日すごせている派だけど、やっぱり「なんか物足りない感」がある。端的にいったら、「一緒の場にいる感」のなさ。「グルーヴ感」のなさ。

その原因は、「からだ」が置き去りにされているからじゃないか、ということを先日のnoteで書いた。

「うーむ」のひとつは、「からだ」が置き去りにされていることだ。認知脳科学の観点からも、からだを置き去りにしたやりとりだとコミュニケーションが希薄化して、共感がおきにくいらしい。
(引用:「リモートワークで置き去りにされる、僕らの「からだ」」


今日は「からだ」っていう視点から、どうしたらリモートワークのやりづらさを乗り越えて、「一緒の場にいる感」を得られるかを考えてみたい。


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「引き込み現象」というものがある。

「引き込み現象」とは、「同時に行う異なる動きのリズムが、次第に合ってくる」現象のこと。物理的に、2つのメトロノームや2つの振り子の周期が同期していく現象があるらしい。

こうした同調は、人と人とのコミュニケーションでも起こる。

つまり、話し手と聞き手の間で、うなずく動作や瞬き、呼吸や心拍の変動といったもののリズムが同調していく。赤ちゃんがお母さんの心臓の音を聞いて安心したり、パートナー同士がだんだん似てくるというのも、「引き込み現象」がもたらすことかもしれない。

対面でのミーティングやイベントでは、こうした「引き込み現象」が自然とおきていた。

そして「引き込み現象」によって感情が共鳴し、共感が生まれる。そうした共感が、「一緒にやってる感」につながっていたはずだ。

(「引き込み現象」についてはこちらの記事で言及されているので興味がある方はどうぞ)


オンラインコミュニケーションでは「からだ」をおなじ場に持ち寄ることができない。だから、そうした「引き込み」を通じた感情の共有・共感がむずかしいのだ。

ここに、オンラインコミュニケーションのやりづらさのひとつがあると思う。

なので、オンラインコミュニケーションでは次のような工夫をしてみるのはどうだろう。


・画面をOFFにしない
・表情をゆたかにする
・大げさにリアクションする(普段より大きくあいづちをうつなど)
・相手の非言語表現(表情やしぐさなど)も観察する
・「ええ」「そうなんですね」など、言葉でのリアクションをきちんとする
・「チェックイン・チェックアウト」をしてみる


とくに「チェックイン・チェックアウト」は有効だと思う。

「チェックイン」は、ミーティングの前にその時の健康状態や感情を共有すること。「チェックアウト」はミーティングの時間を通じて得たものやその時の状態を共有すること。

この「チェックイン・チェックアウト」を行うことで、オンラインではなかなか得られない、その人の状態に関する情報を補うことができる。

僕が関わっているNPO法人グリーンズ では、どんなミーティングでも必ず「チェックイン・チェックアウト」をおこなっている。なのでみんなの体調や心理状況がわかるし、自分もそれを共有できるので、「ミーティングをしたら元気になった」みたいなこともある。


こういったお互いのコミュニケーションの上での意識に加えて、感情の同調が生まれやすい環境づくりも大切だ。

例えば、次のような工夫をしてみたらどうだろう。


・BGMをかける(相手と同じリズムに同調できる)
・同じ飲み物を飲む(あたたかいハーブティーを飲むなど。温度を共有できる)
・バーチャル背景を同じにしてみる
・散歩しながら話してみる(画面を通して歩調が合う?)


とくに、「BGMをかける」は簡単にできて、なおかつ効果がありそうだ。

対面でのミーティングでBGMなんてなかなかかけないかもしれない。けど、それは同じ空間に身体を持ち寄ることで、自然と「引き込み」が起きて、感情の共鳴が生まれるからだ。

「引き込み」が難しいオンラインミーティングでは、あえて「BGMをかける」ことで、離れていても同じリズムに同調して、感情の共鳴が生まれやすくなる。

ブレストのときはアイデアが出るようにアップテンポなBGM、腹を割って話すときは焚き火のBGM、もくもく作業をする会は落ち着いたビートのBGM、といったように、目的によってBGMを変えてみるとなおいい。


参考までに、僕がよく使うBGMをご紹介すると、ですね。

たとえば、ブレストはRei Harakami。


深い話をするときは焚き火。



もくもく作業はLo-fi Hip Hop(ローファイ・ヒップホップ)。


みたいな感じ。皆さんのオススメ曲もぜひ教えてもらえたら嬉しいです。

ちなみにzoomだと以下の記事に書いてある方法で、BGMを流せる。



こんな風に、ちょっとした工夫で、オンラインでの会話にも「引き込み現象」をうみ、「一緒の場にいる感」もたらすことができる。

もちろん対面でのコミュニケーションには及ばないけれども、今みたいになかなか対面で会えない時には、オンラインでもこうした工夫をしてみるのが良さそう。

今回紹介したものの他にも、「一緒の場にいる感」を生むアイデアがあれば、ぜひぜひ教えてください。

仕事がリモートワークになるというのは不可逆的な移行だと思うので、みんなで「豊かなリモートワークライフ」を探究していけたらいいなあ、と思うのです。

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