まっさら

「まっさら」とは、何もない状態を指します。何かを新しく始める前にまずは「まっさら」の状態に戻すことが大切だと考えられています。例えば、新しいプロジェクトを始める前に、それまでのプロジェクトから自分を解放し、新しいアイデアを出すために「まっさら」の状態に戻すことが必要です。
以上、質問【まっさら】に対するchatgptの回答より

この街には愛だとか、憎しみだとか、喜び、悲しみ、笑い、泣き。様々な感情が息づいている、ただなぜだろう。怒りだけがない。いや怒りそのものは人々の中に暗い熾火となって、チロチロと蠢いてる。ただ長すぎる導火線はついに発火点に達することはない。始末の悪いあきらめやどうせといった感情。20年という時間は人々の心を蝕むには十分な時間だ。そんな歪なバランス感覚に支配された世界に異物が放り込まれたとしたら。どうなるんでしょうね。

ありがちなtrapだとか

「ぼったくりっていうのかなこれは」相手の反応を楽しむように男が言った。
たまにこういう客がいるんだよな。バーテンは困ったような顔をして見せながら続けた。
「そうおっしゃられても。こちらが当店の正規の料金でございますので、お客様」
そうそう言葉遣いは丁寧に、恫喝なんて以ての外だ。いるんだよな。こんな客が。youtubeなんかで流れてるぼったくり店いってみたとかいう動画。あれのマネ？格闘技でもやってるのか。調子に乗るなよ、こっちはなんたってプロなんですよ。もちろん、そんな心の内は表情には見せない。
「ご納得が行かないのでしたら、明細をお持ちしましょうか」
「う〜んそれはいいんだけど、20万円っていうのはな」本当に困っているような顔。
こいつバカか。バーテンは改めて客に目をやった。身長は175cmくらいか、痩せ型といえば痩せ型かな。少なくともヤンチャとか、鋭そうっていうのでもないよな。格闘技？なんか違ってるかな。

「お客様、もしかしてお支払い相当の現金を所持されていらっしゃらないということでしょうか。でしたらすぐそこのコンビニで引き出されるとか。paypayでのお支払いでも結構ですよ」
「イヤそこまでしなくても現金はあるんだけど、それがね」
何言ってるんだこいつ。だったらその財布を早いとこ、こっちによこせよ。計算くらいしてやるから。もちろん釣りだって渡してやるよ。それともチップとしてもらっておこうか。
「それはそれは、まいどありがとうございます」せせら笑うようなバーテンの口調は、男の発したいっそフラットな声に打ち消された。
「1万いやがんばって1万2000円かな。それがいいところでしょう」
オッこいつやる気か、ヤろうってのか。オレだって地元じゃ結構あばれてたんだ。
「お客さん、それ本気でいってる。冗談だよね。本気だとしたらこっちも場合によっちゃあ上の人間に話を通さなきゃだけど。そんなのヤでしょ」さぁどうする。

「こういうのってさどうなの。その上の人を呼ぶってことはお兄さん的にはまずいんじゃないの。こんな案件で上司を呼ぶなんて。ゲストの対応も満足にできないのかって。叱られるとか」
なに言ってるんだコイツ、そこもコミでのシステムじゃないか。こっちは職種によって担当別ってことになってんだよ。まったく面倒なヤツを相手にしちまったな。先輩からクレームだぞ。バーテンは少しだけ自分の不幸を嘆いた。

「わっかりました。じゃ連絡しますね、わたしも気の長い方じゃないんでね」バーテンはなぜかスマホではなく固定電話に手を伸ばしながらそういった。もしかしたら固定電話ではなく、直通の内線かなにかなのかもしれない。だとしたら客の男にとっては良い状況とは言い難い。案の定、1分も経たない間にドアが開かれ、男が二人入ってきた。いかにも暴力をビジネスにしている風を隠しもしない派手なタトゥー。いやむしろ相手に自分がどういう状況に陥ったかを知らせるには有効なサインともいえる。身体も鍛えてるようだ。フィジークのステージがよく似合いそうだ。