隠れ蓑 NOW ON SALE⁉
一瞬の一瞥が、突き刺さる。
心はもう落武者、あるいは、人間を昇華してハリネズミ。
1日で1番、このエレベーター前後の時間に神経をすり減らす。
私は、朝、歌を歌う。
※寝不足の時は、喉を痛めるから厳禁。マネしないでね。
→仕事が深夜に終わったり、料金が高かったり、、。まぁ、自分の睡眠を削るのが余計な労力を使わず手っ取り早いのだ。
私は、朝、歌を歌う。
※カラオケ屋さんで。週6くらい。
私は、朝、歌を歌う。
※託児所の1つ、上の階。
私は、歌を歌う。
※もちろん、クリスマスもw
『毎日のんきでいいね』っていうメッセージ。もう、そこいらから、リアルにも幻聴にも大量に頂戴している。(内臓飛び出そな位、押し潰され気味にw)
その中でも、この時間がすこぶるキライ。
第一関門
忙しそうにベビーカーを押すふわふわ・がーりぃママ。
「おはようございまぁす♫」
息急き切って、爽やかで、かわいらしい。
あー。鉢合わせちゃった。。。
「おはようございます、、」
小さな声で挨拶をかわしエレベーターを待つ。
きっと私は、ベイビーを預けたものの忘れ物して、もう一度託児所に向かう類の人種に見えているんだろう。
「チーン」
エレベーターが1Fに到着し、私、ママ、ベイビーが乗り込む。
私は頼まれもしないのに、託児所のある3Fとド派手にボタンメイクされたカラオケ屋の4Fを連打する。
「。。ありがとうございます。。(??)」
ちょっと不思議そうなママに、ベイビーが問いかける。
「ねぇねぇ、上の階には何があるの?」
「、、いいから、、気にしなくて」
隠れ蓑 NOW ON SALE!とか、ないかね泣
扉が閉まり仲良し親子の残り香が消えると、全身の緊張が緩み無意識に止めていた息が放出される。
突破!
第二関門は、制覇済み!
「いらっしゃいませ~」
「1時間で」
「412号室です~」
以上。
早朝7時過ぎにこの場にいるお客さんのほとんどは、夜の終わりを認めたくない人(酔っ払い)・定年を超えて日課で来ているおじいさん・私のような不思議人種。
最初こそ、店員さんの『この人毎日来るけどどうゆう人なんだろう』的な空気に居心地の悪さを感じたけれど、今ではDAMかジョイサウンドかを選ぶことなく毎日同じ部屋があてがわれ(申し訳ないからそこまでは望んではないのだけれど汗)、注文せずとも『常温のミネラルウォーター』が届けられる。まぁ、回数だけで言えば、店長バリに出没しているはずだから、仕方ないw
「〇〇さんがひどいんですよ」(名札付けてないから誰かわからんよw)「今度、院試で~」「和歌山旅行行ってきて~」って、店員さんがフレンドリーにお話してくれるのがうれしい。
ただ、出勤ギリギリまで歌うので、清算時のおしゃべりは『電車に間に合わないんじゃ。。』ってヒヤヒヤする(それでも、うれしい)。ほんとは、レコーディング配信や、毎日通ってる理由を伝えたい気もするけど、無理やり応援させるのも嫌だからオープンにはしていない。ただ、私の無意識層でお店のキャラクターが歌詞に反映されてしまっているので、いつか読んで笑ってもらえたら最高なんだけどなぁ。
通過完了。
帰りも、幸せなママたちとすれ違うと心は滅入る。
いい歳こいて(過ぎて)何やってるんだろ。。
『人生を舐めてる』古傷がぢくぢく膿み始める。
育児に、仕事に頑張るのが『普通の幸せ』。
私はみんなの心配と憐みの視線を鈍いフリしてかわす。
感じなくなっては、イケナイ。私は歌うたいだから。
私がみっともないのは、100も承知。
振り返るな。こんな歳から歌うなんて、常識じゃないってわかってはじめた。
折れるな。それなら、初めから勇気なんて出さなければよかった。
負けるな。過去の私が振り絞った勇気を、私までバカにしないで!
私は、朝、歌を歌う。
※駅へ向かう道すがら。
私は、朝、歌を歌う。
※超音波もだせるかもね。
私は、歌を歌う。
※ここにいるよと、泣いている。
あたしはココに、いるよ! 気づいてくれて、ありがと~(*´ω`*)ノシ えーる、届けー。えーる、おくれー(←頂戴の意味)。