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キレイゴトの先にある未来

転職おじさんです。こんにちは。少しずつ日の出が早くなってきましたね。

おっさん世代の転職は難しい、と言われる理由はシンプルで、自分の問題(職務内容、勤務地や報酬など諸条件)に加え、親御さんの介護、子供の成長など、加味される要件がいくつも加わってくるからと思っています。

もうひとつ言うと、40代50代の転職なのに、転職先に期待することが20代の頃のマインドのままのおっちゃんが多いこと。これもおっさん世代の転職を難しくしてる原因、と思ってます。

今日はこの「さほど難しくない問題をこじらせがちな、おっちゃん」について日ごろ思っていることを綴ってみようと思います。ヒアウィーゴ!

大学の先生だったおっさん

ちょっと前までおっさんは、大学の先生でした。アカデミックの世界には7年ほどお世話になり、40を迎える春、現職のマーケティングコミュニケーション界に移ってきました。

研究者時代のおっさんは論文を数本発表したくらいで、ほとんどなんの研究成果も残せませんでした。ぶっちゃけ成果はゼロでした。でも振り返ると、ひとつだけ胸を張れることがあります。それはかなりガチで、ゼミ生や受講生と向き合って時間を過ごしてきたことです。

2006年にはじめて受け持った「おっさんチルドレン1期生」は2回生から4回生で、彼らは当時19才から23〜4才でした。そこに「15年」を足すと、現在34〜39才ってことになります。ゲゲ、みんな立派なアラフォーじゃんw

ゼミ生たちとおっさんの関係

ざっくり括るとおっさんと教え子の年齢差は、ひと回りちょっと離れた幅に収まります。彼ら彼女らとの関係は、だいたい大学三年頃の就職相談からはじまり、おっさんが教職を離れたいまは(最近はコロナでめっきりですが)転職相談を中心に、結婚報告、披露宴の主賓挨拶の相談、ゼミ生カップルから生まれたベイビーとのご対面!などなんだかんだで盛りだくさんです。

いいことばかりではありません。悲しい知らせ、離婚の連絡、仕事の悩み、身元引き受け人として警察に出向いたこともあります。それら全部をひっくるめて、教え子たちはおっさんに、人生の喜怒哀楽とは何たるかを教えてくれるステキな存在です。

そんなキレイじゃないでしょ?!

でここ数年。アラフォーに差し掛かる彼らの転職相談に耳を傾ける機会が増え、あることを強く思うようになりました。ズバリ言うと、みんな転職活動を綺麗ごと化しすぎ!ってこと。さっきTBSラジオでジェーン・スーさんも似たような話をしてましたが、転職活動って、人生と一緒でもっと多面的と思うのです。

人間が、ずるくて、汚くて、面倒でやり過ごすこともあったり、助けられる人を助けないこともあるように、転職活動って、もっとえぐみのあるものと思うのです。なのに彼らの話を聞いていると、捉えていることが(①仕事がつまんない、②給料が安い、③隣の芝が青い、以上おっさん調べTOP3)どうも表層的過ぎる(ことが多い)ように思うんですよねー。

彼らがひと通り話し終えると、おっさんはもっとドロドロした話を聞かせてよ、と踏み込みます。出会ったハタチの頃と変わらない口調で、彼らは話しを続けます。実は人間関係で悩んでる、上司に嫌われて社内ニートになってしまった、問題を抱えて辞めざるを得ない、心の病でヤル気が出ない。とか。

ゼミ生には、こう言います。そっか、辛かったね。色々あったね。そのドロドロした自分から目を逸らさず一緒に棚おろししてみようか、と。

棚おろしのススメ

棚おろし。ここで言う「たなおろし」を平たく言うと、転職活動で重要なこと。「何をしたくないか?」ではなく「何ができるのか? そして社会のニーズに対して君ができることは何なのか?」を明確にしていくことです。

転職活動は、企業と個人の対等なお見合いの場です。だから棚おろしの前に吐き出した、家庭の事情、環境事由、心の病などは、転職や就活には持ち込まないよう分けて考えようね、とアドバイスします。なぜならそれらは、企業には一切関係のない自己の問題だからです。

転職活動をするとき、求職者のマインドに依存や他責が交じっていると、その人の活動はスタートから迷走しがちです。ですので現在、そしてこれから転職活動をされる方は是非、自分の奥の方にあるドロドロした自分と向き合ってみてください。棚おろしを済ませてすっきりしたマインドで転職活動をスタートされることをオススメします。

その上で、このnoteの冒頭に書いたご自分の問題、家族の介護、子供の進学など、追加要件を改めて重ね合わせてみてください。あーら不思議、深いところまで腹落ちしたあとは、ややこしかった要件がクリアに見えてくるはずです。

綺麗ごとのその先の、もっと奥のほうで、理性とか、運とか、縁とか、タイミングが重なりあったとき、ぼくらの人生は開けていくのだと、9回目の転職を決めたばかりの48歳のおっさんは、そう思うのです。

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