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お家騒動と男の浮気は歴史から学ぶ

今日は朝から英国お家騒動でメディアは持ちきり。
今の時代、遠くの国の物語もメディアを通して瞬時に情報が入ってくる。
メーガン妃は世界にはどう映っているのだろう。
米国ドラマ「SUITS」の女優でいた方が良かったのではないか、と勝手ながらに思ってしまう。
SUITSの時も決して好きなタイプではなかったが。余談ですが。

今日はそんな王国のお家騒動の話に繋がるスペイン物語を。

歴史の中のスペイン王国において
私が好きな登場人物に「ファナ王女」がいる。

ファナ王女の人生は
今のこのマスメディアの世界であったなら、連日報道されているに違いない。

まずはファナ王女について簡単に、説明しよう。

「昔々、小さな王国に1人の美しい王女様がいました。

王女様の名前はファナと言いました。ある日、ファナ王女はこれまた小さな王国の素敵な王子様に出会いました。王子様の名前はフィリップと言いました。2人は一目で恋に落ち、
そして誰にも内緒で結婚式を挙げたのでした。

幸せな生活の中で、2人の間には2人の男の子と4人の女の子が産まれました。
しかし、そんな幸せな生活の中、フィリップ王子が突然謎の疫病に侵されてしまい、命を落としてしまいます。ファナ王女は悲しみのあまり、彼の亡骸からしばらく離れる事が出来ませんでした。

それからというもの、ファナ王女はなかなか悲しみから抜け出せず、子供たちを残し旅に出ました。心にはいつもフィリップ王子が一緒でした。しかし、歩いても歩いても悲しみが癒えることはありませんでした。いつしか王女は旅をする事もやめて、お城に籠ったきり、フィリップを思ったまま1人深い眠りについたのでした。」

なんとも悲しい恋物語に聞こえただろうか。

でも実際はどうだったのだろう。

当時は政略結婚が当たり前の時代。
2人は本当に一目で恋に落ちたのだろうか。

もちろん2人の王子と王女は、お互いの国が大きくなる為の政略結婚だった。
フィリップの国はフランドルと言って、今で言うベルギー、オランダのあの辺り。
ファナは、イベリア半島からイギリスを周り、長い船旅で会った事もない人と結婚する為にお国を出たのだった。
今じゃ到底考えられない。現在のように飛行機でびゅーんと一瞬で着く距離ならまだしも、何日もかけてやってきたのに
結婚相手がちんちくりんだった時のショックったら、本当に今の時代では想像すらできない。
当時は写真などもない時代。
宮廷画家にいわゆる「加工」させた自画像などを送り合って、結婚相手を決めたというから、その辺も最近の加工アプリで加工しまくった写真を元に、出会い系アプリをする感じと変わらないのかも、しれないが、
ファナ王女とフィリップ王子が
「写真と全然違うやーん 詐欺やーん」
という展開とは程遠い場所にいたのは確かなようだ。

2人はお互いに一目惚れだったという。
初対面で恋に落ち、その足で勝手に結婚式を挙げたというロマンチックな行動に出た事も記録されている。

いわゆる運命の出会いだった、のだろう。

しかし2人の生活は決して幸せとは程遠く、甘いマスクの遊び人であったフィリップの女癖にファナは頭を抱えたという。
感情のコントロールも出来ず、ヒステリックに暴れまくっていたのだそうだ。

妻の妊娠中に浮気をする夫
というのは、今も昔も変わらないのだな、と思う。
石田純一の「不倫は文化だ」という言葉は案外的を得ていたんだな、と言っても過言ではない。

そんな浮気者の夫の元、
「実家に帰らせていただきます!」
と、簡単にいかない世の中、ファナは怒りでしか感情を表すことが出来なかったのだろう。


ファナは今のスペインの元となった、カスティーリャ王国のイザベル女王とアラゴン王国のフェルナンド王との間に次女として産まれた。

世継ぎであったファナの兄は元々体が弱く、結婚後、子宝に恵まれる前に亡くなってしまう。ポルトガルに嫁いでいた姉も死産。その時生まれた子供も時、間もなく死んでしまった。

そうしてカスティーリャ王国の世継ぎへの矢の矛先が次女であるファナに向かったのだ。
(なぜイザベルは、夫フェルナンドに自国を渡さなかったのか?
夫婦なんてそんなもんだろう、と歴史が今も教えてくれているのではないか、と思うのだが、この辺りは未婚である私があれこれ言うのは違う気がするのでそっとしておこう。)

そうしてカスティーリャ王国を継ぐために、ファナと共にフィリップもスペインへと向かった。

しかし、遊び人のフィリップにとって厳格なカトリックの国であったスペインが全然体に合わない。食べ物も(女遊びも)何もかもが堅苦しすぎる。そんな風に思ったのだろうか。
フィリップは身篭っているファナを1人スペインに置いてフランドルに帰ってしまったという。

女の立場からすると
なんと、まぁ。と言いたくなる。

イギリスが体に合わないと言って文句を言っている誰かさんの顔もちょいとチラついてしまったが。

...話を戻そう。
1人スペインに残されたファナは、フィリップを追って自分もフランドルに帰ると言っては聞かなかったそうだ。
日に日にその思いは募り、許しをくれない母であるイザベルに暴言を吐く事も。
王室の世界の事はよく知らないが、
親に暴言を吐く、という行為はきっと今以上に重いものではなかっただろうか。
それがれっきとした王室なら、尚の事。

そんな王室の、ファナの悪行の噂はどんどんと街にも広がっていったという。

結局ファナ王女は両親の反対も押し切り
フィリップ王子の元に帰っていった。
帰った所で幸せな生活があるとは限らない。
相変わらず女癖の悪いフィリップと、それに激怒するファナの生活。
一般社会で考えたって胸が張り裂けそうな生活ではないだろうか。

そんな中、ファナの母であるイザベル女王がこの世を去った。
遺言状にはやはり
「カスティーリャ王国をファナに託す」と書かれていたのだ。

フィリップ王子は、それならば(国が手に入るなら!)と再度スペインに行くことを決心する。

韓流ドラマで言ったらちょうど折り返し地点の10話くらいだろうか。

韓流ドラマで言う必要はないけれども
なんとも韓流ドラマにありがちな、
世継ぎ問題、ドロドロ合戦の予感ではないか。

女性からすると、フィリップ王子の事を
このクソ男め!
と言ってやりたい所ではあるが、

フィリップとファナの物語、後半戦へと

続く→




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