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苦い思い出

2020年9月15日(火)

そういえば、昔は今日が敬老の日だったなとか思いつつ。

それは今は亡き父がまだ現役だった頃の話だから、20年以上いや30年近く前になるかもしれない。父がある日、「これ、おいしいらしいで」と言って握りこぶしくらいの黒い物体を持って会社から帰ってきた。

「アボカド」という果物らしいことはわかったが、当時はサクッとネットで検索する手段も何もなかったので、甘いのか酸っぱいのかさっぱり見当もつかず、とりあえず切ってみようということになった。

切り方もわからないし、結局母がどんなふうに切ったかも覚えていないが、中の黄緑色の実をかじった時、「グエッ、なんじゃこりゃ」と思ったことははっきり覚えている。

それはまるで蝋をかじっているような味だった。父が会社の同僚か誰かに騙されて、蝋でできた食品サンプルを持たされたのではないかと真剣に疑ったほどだ。

昨今、それはまぐろのトロみたいと言われたり、スーパーでも普通に並んでいたりするのだが、あの日以来未だに自分から手を出そうとは思えない。

最近のアボカド、ほんとにおいしいの?

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