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かつてみたこともない天体が見つかった!?

宇宙はまだ見ぬ天体・生命の探究が最大のロマンですが、こんな煽り気味の記事が載っていました。

なんとなく新年ワインや気候変動で使われそうな表現ですが、もちろん科学的な計測に基づくものです。

約18分に一回、強い電波を発する天体を見つけたとのことです。
興味深いのが、なんと学生が卒論研究で見つけたとのこと。今後の人生を変える出来事になるかもしれませんね。

さて、その正体ですが、現時点では下記2つと予測されています。

1.超長期周期マグネター
2.白色矮星パルサー

当初、地球外生命体では?の声もありましたが、広範囲で計測され指向性がないことから上記いずれかの自然現象であろう、とのことです。

ただ、上記二つの用語は、あまり天文に馴染みがないかたには初耳かもしれません。

要は星の成れの果てなのですが、まずその一生をざっくりと書いておきます。(そうとうエイヤにしています)

星内部の核融合反応がいつかは弱まり重力(中心への引力)が強くなる
→核融合で生じた熱で反発して膨張し、赤色巨星となる
→反発エネルギーが弱まると・・・
 →軽いとしぼんで白色矮星
 →重いと自身の重力(引力)に押しつぶされ(重力崩壊)、
 超新星爆発(スーパーノヴァ)を経て・・・ 
  →軽いと中性子星
  →重いとブラックホール

マグネターは、極端に強い磁場を持つ「中性子星」の1形態です。

天文学辞典によると、通常は10の8乗テスラに対して、10の10乗テスラもの極端に強い磁場を持ち、従来理論で説明できないほど明るい高エネルギー電磁波を放つ天体という定義です。
数値だけだとピンとこないと思うので例えると、地球磁力の1000兆倍です。

超長期周期とありますが、従来は数秒で過去最大でも20秒の周期でした。
それが今回「18分」なので「かつて見たこともない」天体ということです。

過去に20個ほどマグネターはみつかっており、2020年にも新発見のニュースが流れましたが、その周期は1.3秒でした。(下図星印)

出所:理研発表(https://www.riken.jp/press/2020/20201005_2/index.html)

もしこれがマグネターだとすると、従来の別の進化形態となって、研究が進む可能性もあります。ある意味ブラックホール一歩手前の天体なので、その意味でも興味深いです。

英語ですが、下記にマグネターをアニメーションで紹介した動画を載せておきます。


最後に2にあるパルサーですが、周期的に電波を発する天体ですが、通常は「中性子星」が原因でしたので、こちらだとしても今後の天体研究に期待が持てそうです。

ちなみにこのパルサー、初めて発見されたのは1960年代だったのですが、あまりにも規則正しい信号であったので、「地球外生命体」によるものと本気で考えられていました。

実はちょうどその少し前に、宇宙人を見たという事件が起こり「Little Green Man(緑の小人)」とメディアが大騒ぎしていました。

その頭文字をとって「LGM-1」と公式に名付けたほどです。そのあとに観測を続けると、中性子性によるものと結論づけられました。

実はこういった話はポツポツとあり、いまだに未解明な信号もあります。

例えば下記は、やっと40年越しで手がかりが見つけられたケースです。

再現性がないので完全解明は難しそうです。

いずれにせよ、まだまだ宇宙のロマンは残っていますので、ぜひ関心を持った方は、たまにはこういったニュースを見かけたら覗いてみてください。

引き続き今回の続報にチューニングしておきたいと思います。

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