はたして誰の墓?科学が明かす古代の謎。
未来だけでなく古代も謎に満ちてロマンがありますね。
毎日放送で、興味深いニュースが18日に流れていました。
要は、
宮内庁の発掘で大山古墳から大量の埴輪が見つかったので、権威のある仁徳天皇である可能性がより高まった、
という話です。
引っかかった理由は、出土品からここは仁徳天皇の墓ではないのでは?という仮説が以前から流れている「いわくつき」だったことです。
実は、近代の調査で、いわくつきの墓があります。
それも日本史上最大級の大物で、実在したとされる初代天皇「継体天皇」です。
宮内庁は、継体天皇の墓は、太田茶臼山古墳(大阪府茨木市)を陵墓として治定しています。(今でも)
が、そこで出土した埴輪の年代などから、近辺にある「今城塚(いましろづか)古墳」を継体陵とみるのが定説になっています。
なぜか?
実は16世紀に起こった大地震で、石室含め多くが崩壊してしまったのです。
そんなこんなで、(振り返ると運よく)陵墓候補から外れ、今城塚古墳は高塚市の管理下となり、発掘がやりやすくなりました。
それ以降の調査結果として、継体天皇の時代と思われる膨大な埴輪・土器の数が発見されたわけです。
知る限りここまで陵墓(候補)を発掘できたのは全国でここだけかもしれません。通常は宮内庁の厳重管理です・・・。
例えば2016年には、地震で失ったとされる石棺の候補が見つかって話題になりました。
それで、今までは出土品の年代測定法に依存してましたが、最近ではピラミッド内部調査などにも使われている宇宙物理学の知見も採用しています。
2017年の衝撃的なニュースは覚えている方もいるのではないでしょうか?
宇宙からは常に「宇宙線」が降り注いでおり、そのうち「ミュー粒子」を使う手法です。
レントゲンはX線を使いますが、それよりさらに透過能力が高いものです。
この手法は元々1970年代から地球内部の構造解析に使われたのがきっかけですが、上記のように考古学でも活用されています。
この宇宙と古代の組み合わせの妙がたまりませんね☺
さて、2020年に、関西大学がこの手法で今城塚古墳を解析した調査結果がこちらに公開されています。
色で分かりやすく加工した結果を引用します。
残念ながら、この調査では失われた石棺の空洞を特定するまでは至りませんでしたが、この赤と緑がまさに過去の大地震の横滑り現象を示しています。
最新の測定手法が長年の定説を覆すことはよくあります。日本史の大いなる謎も、いつかはつまびらかになるかもしれませんね。
今後も最新科学が歴史を変えるニュースには注目したいと思います。
タイトル画像のCopyright © 地図・空中写真閲覧サービス 国土地理院, Attribution, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=278362
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