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原始地球はキセキで覆われていた

地球でどう生命が誕生したのか? いくつかの難問がありますが、その初めの障壁が「原始地球のCO2問題です。」

こんな画期的な発表がエール大学から行われました。

出所は、こちらのエール大学HPです。

要は、
地球の初期状態はCO2に包まれていたが、今は存在しない輝石(キセキ)を帯びた岩石と海水とが反応して固定化(除去)することが出来た、
という話です。

今でも気候変動対策として、CO2を固定化・貯蔵する技術はCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)と称して注目されています。

地球上での生命誕生場所は「地球内」・「宇宙飛来」説があり、前者はさらに「空中」・「地上」・「深海」に大別されます。

ロマンのある宇宙飛来説は以前も取り上げたので割愛します。

今回の新説は、生命誕生の候補とされている「深海説」と同じような作用であるため、より想像を掻き立てられます。

深海説をざっくりいうと、海面下何千メートルもの深海底に、地熱で温められた気体・液体を噴出する煙突構造物(熱水噴出孔)で生命が誕生したという説です。

そこでは物理的に隔離された状態で、ある程度の熱(エネルギー)と、岩と海水の反応によって生命に必要な水素・メタンなどが形成されます。

ただ、大半の熱水噴出孔は火山活動によるもので、プレート移動などで長期的には保存されませんでした。

そんな中で、2000年に大西洋で発見された「ロストシティ」と呼ばれる熱水噴出孔は、火山活動由来ではありませんでした。
そのため、少なくとも12万年前から現在に至るまでその活動は継続しています。つまり、それだけ生命誕生の可能性が高いとして注目されています。

ロストシティの特異性については、下記サイトが写真付きで分かりやすく紹介しています。

従来発見された熱水噴出孔との違いは、下記のとおりです。

・強アルカリ性で温度も90℃以下であること
・非生物由来でメタンなどの有機物が作られていること
・水素ガスが噴き出ていること
・酸素に頼らない微生物たちが独自の生態系を作っていたこと

冒頭の炭素固定反応も、このロストシティとの類似性を指摘しています。

関連ですが、太陽系惑星の中には、水が存在する可能性がすでに高い衛星(惑星を周る天体)があります。

代表的なものは、土星を周るタイタンエンケラドゥス、木星を周るエウロパです。
最も新しいのはエンケラドゥスで、たまたま観測機器「カッシーニ」が2005年に間欠泉の撮影に成功して話題を呼びました。
1つ関連記事を紹介しておきます。

出所:上記記事内にあるNASA提供(撮影はカッシーニ)

これらの惑星内でも、ロストシティと同じような場所が存在している可能性は十分にあります。

しかし「ロストシティ」で生命が誕生、というのは矛盾を感じます・・。
どうも名前の由来は、発見場所が古代書で登場する伝説上の帝国「アトランティス」だったことによるそうです。

謎に謎が重なって、地球で一番ミステリアスな場所かもしれませんね。

※冒頭画像Credit:NOAA(https://www.noaa.gov/)

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