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ブラックホールと基礎科学研究

2010年代のブラックホール研究は、「重力波検出」・「画像化」・「ノーベル賞受賞」と華々しい成果を収めています。

まさに宇宙研究の花形で、順風満帆かとおもいきや・・・こんなニュースが流れてやや意外な印象を受けました。

クラウドファンディングは、社会課題のテーマを中心とした資金調達手段として、今では結構知られるようになりました。

産業面でも特に資金のないベンチャーや個人が行うときもあります。

歴史的に有名な例を挙げると、Metaが買収したOculusはKickstarterというクラウドファンディングで希望額の10倍を資金調達して成功しています。

今回、国立研究所の研究費用目的としては史上初の試みだそうです。
それだけ研究費用の確保が深刻ということなんでしょうね。。。

この研究所は、ブラックホールを史上初めて画像化することに貢献した日本のエース「国立天文台」です。

宇宙研究への国家予算は内閣府発表のこちらを見ると伸びていますが、内訳をみると衛星を中心とした工学に絞ったテーマに見えます。

出所:https://www8.cao.go.jp/space/budget/r04/fy4_yosan_fy3hosei.pdf

気になるので色々と何が起こっているのかを調べたら、下記にその経緯を詳しく解説したサイトがありました。

要は、
元々本プロジェクトは「天の川銀河の3次元地図」を目的としたもので、2019年にブラックホールの画像化に成功した成果は横に置いて、当初の成果が出てないため予算を半減した、
ということです。

こんな人類史に残る偉業を成し遂げても・・・なかなかやるせない気持ちで一杯です。

愚痴を言っても始まらないので、今回クラウドファンディングで果たしたい目的について私なりに紹介したいと思います。

まず、ブラックホールとは「巨大天体の最終形態の1つ」、つまり成れの果てです。

天体も人間同様に一生があり、いつかエネルギーを使い果たして死を迎えます。例えば、太陽の寿命は大体100億年でいま半分を迎えています。(人間で例えると中年の時期)

そして、その天体が余りにも巨大すぎると、自身の重力で押しつぶされて一部はブラックホールになります。
光さえも飲みつくす暗黒の天体というイメージは多くの方が持っていると思います。漫画のキャラクターとかにもなりましたね。

それなのに、なんと逆にブラックホールから噴射する現象が確認されました。これは「ジェット」と呼ばれます。

出所:東北大学(https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20170620-9165.html) ※冒頭画像も同様

いくつかジェットの仮説は提示されてますが、2019年の画像化に成功したブラックホールにもジェットの撮影にも成功し(下図)、その活動をさらに解析することで真実に肉薄することが出来ます。

出所:https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11041_m87

もし何となく興味を持ってもっと知りたいと思った方のために、私が2020年に行ったブラックホールをテーマにした一般向け動画を共有しておきます。

基礎科学の分野は、短期的かつ経済的な成果を生むことは正直ありません。

ただ、歴史が証明しているように、基礎科学の発展が人類の飛躍的な発展に繋がっています。

もし興味を持ったかたは冒頭のクラウドファンディングに少しでもいいので賛同いただけると嬉しいです。

そしてなにより日々最先端の研究を行っている冒険者の方々に心からエールを送ります。

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