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暗号資産(仮想通貨)は民主主義を実現できるか!?

今回のウクライナ侵攻に伴う支援寄付で、暗号資産(仮想通貨)が話題になることが増えました。

要は、
法定通貨での国際送金だけでなく、イーサリウムを中心に寄付が出来る仕組みが出来ているが、手数料やトークンの意義などまだ分かりにくいところがある、
という話です。

まだ暗号資産は発展途上ですが、時々通貨の乱高下で話題になりますが、それと別の観点でも興味深い動きがあるので触れてみたいと思います。

まず、暗号資産の特徴ですが、いわゆる「キャッシュレス決済」と誤解されます。
それは単に「デジタル化」であって、基本的には円やドルなど「法定通貨」内の話です。
これらは国家が信用を元に集中的に管理して各通貨を発行しています。
日本ですと、日本銀行ですね。

法定通貨のような特定の組織に委ねるのでなく、分散型で管理する発想が「暗号資産(仮想通貨)」のポイントです。

一言で言うと、「価値の民主化」を目指したものです。インターネットが「情報の民主化」を志向してますが、その次に相当するほどの発明という声もあります。

そのパイオニアでいまでも有名で使われているのが「ビットコイン」です。

2008年に突然そのアイデアを記した論文が投稿され、作者が「ナカモト サトシ」という日本人名であったことで、日本でもよく話題になりました。
現時点でも正体は不明です。

その原理を応用した技法が色々と考案されているのが今の流れです。
発想というのが「皆で取引履歴をブロック単位で暗号化して安全な鎖を作ろう」というものです。

今話題になっているのが、新しい通貨を発行する「合意形成」の在り方です。
ビットコインでは、PoW(Proof of Work)とよぶ手法を採用しており、要は、ある程度負荷のかかる仕事をした人に報酬としてコインを新規発行する、というしくみです。

その負荷が相当コンピュータパワーを要し(数字当てパズルを手あたり次第行うイメージ)、2021年は100テラワット時を超え、これはフィンランド一国の年間電気消費量に相当します。

つまり、今暗号資産では、元々脱炭素などで話題の「エネルギー問題」にも大きな影響を与えています。

こういった背景もあって今注目を浴びているのが「イーサリアム」という暗号資産アプリケーションを開発するプラットフォームです。(ビットコインはアプリケーションそのもの)

元々19歳の天才少年が開発したものですが、その利便性もあり(取引処理が早いのと開発基盤なのでアプリ開発の自由度がある)、投稿時点ではビットコインに次ぐ取引規模を誇っています。

基本的な説明について興味がある方は、例えば下記を参照ください。

このイーサリアムが、エネルギー問題を深刻にうけとめ、合意形成方法を「PoS(Proof of Stake)」に切り替える予定です。
これはざっくりいえば、取引承認者(=検証者)をランダムに選定してそれ自体の不正や寡占化を防ごうという発想です。
逆に現行のPoW方式では、コンピュータパワーを持った力のある人が通貨を握りやすい、という本末転倒な現象がおこりがちです。

この方式変更によって、理論的には99%以上のエネルギー消費を節約することが期待されています。

2022年から、この大幅なアップデートが始まる予定です。

元々、法定通貨による企業向け投資でも、「ESG投資」と呼ばれる環境・社会面に配慮した新しいお金の動きが起こっており、そこへ波及する可能性もあります。

今回のエネルギー問題以外でも暗号資産は課題山積ですが、元々のVISIONはあくまで「価値の民主化」です。
どうしても資本主義は格差問題をはらみがちですので、それ自体はとても共感します。

今年は特に注視して暗号資産がもたらすインパクトをWatchしていきたいと思います。

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