【書評】樺沢紫苑『ストレスフリー超大全』－－天職に出会った人の言葉は尊い

　最近、樺沢先生の本にハマっていて、audibleで聞いたり、実際に本で読んだりしている。これは絵も多いので、紙の本で読んでみた。
　樺沢先生の、精神の安定を保つには、運動・睡眠・朝散歩が大事、という原則はものすごく有効で、これをやるようになってから落ち込むことがほとんどなくなった。まさに大感謝。というわけで、この本もいろいろと役立つ知識が満載だ。
　自分をさらけ出すことばかりがいいわけじゃない、場所や相手によってペルソナを持つことは自分を守る盾になる。そしてストレスや他人からの攻撃を受け止めてくれる、というのは、なるほどね、と思った。
　それに加えて、ネットの嫌がらせについて、完全に無視し相手にするな、絶対に返信や反論するな、というのも説得力がある。
　親のアドバイスは30年古い、というのもそうだよね。そして我々教師も、やっぱり30年古いんだよな。
　その他にも役立つ話がいっぱい載っている。僕が心を揺さぶられたのは、かつて自殺してしまった患者さんの話だ。
　医者は担当していた患者さんが死んでしまうととても落ち込む。樺沢先生もそうだった。そして精神医学の知識を少しでも多く広めて、自殺者を減らそう、と決意する。
　こうしてむちゃくちゃに書き、むちゃくちゃに読み、むちゃくちゃに動画を上げる樺沢先生が生まれた。
　人が天職に出会うってこういうことなんだと思う。そういうまっすぐな気持ちで頑張っておられる樺沢先生はかっこいい。