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【書評】小泉悠『ウクライナ戦争の200日』--軍事的な視点は大事

 小泉悠の本を色々読んできたけど、これは対談集だ。ウクライナでの戦争について彼がいろんな人と話し合っている。
 僕が気に入ったのは、小説家の砂川文次さんとの対談だ。砂川さんは実際に北海道で自衛隊員をしていたあと、作家になっただけあって、話がこまかく、かつ実体験に基づいた厚みがある。
 ロシア軍の北海道侵攻を、実際にあり得る可能性として考え、それにどう対処するかをきちんと具体的に話す。
 僕も昔はわりと抽象的で理念的な話に興味があったが、今ではどういうものを食べる、どういう所で寝る、どういう武器をどういうふうに使う、といった、きちんと手に取り目で見られるようなことに魅力を感じる。
 しかもこうした人の話を読んでいると、今まで物事を軍事的な視点からは捉えてこなかったことを痛感させられる。実際に常に戦争があるのだから、こうした視点が大事なのは自明なのに。

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