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【書評】安田祐輔『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本』--脳の多様性って

 最近、発達障害に興味があってこの本を読んでみた。結論から言えば、発達障害があろうがなかろうが、誰にでも役立つコツが満載である。
 たとえば予定について。1時間かかるだろう、と思う仕事があったら、1時間半を割り当てる。しかも頭ん中で考えるだけではなく、日程表に書き入れる。 Google などの電子的なツールを使えば、いつでも見られるからなお良い。こういうのはすぐに役に立つ知識だ。
 あるいは、入試会場など、どうしても決まった時間に特定の場所に行かなければならない場合、途中で迷うことを見越して、前もって一度行っておく。そうすると心の余裕が出て、とんでもない間違いをしでかすこともなくなる。
 こういうのはどうだろう。効率的な勉強の仕方という話で、目で見るのが得意な人、耳で聞くのが得意な人、学びながら体を動かすのが得意な人、と人には色々な個性がある。
 だから、読んで覚える、自分で読み上げて聞いて覚える、体を動かして書いて覚える、など、それぞれ特性に合わせた学び方をするのが最も効率的になる。
 今まであった勉強法の本は、著者がやってみてこれがうまくいったからお前もやれ、というものが多かった気がする。でも人間の脳は一種類ではない。もっと色々な特性を持った、多様なものであって、それぞれに合ったやり方があるのだ。
 こうした、脳の多様性を受け入れる、という考え方はすごくいまどきな気がする。

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