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《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.49

課題5:
気軽に、楽しく、カウンセリングを受けたくなるコピー
・話そう。晴らそう。

どんよりとした気分を晴らすことができれば、どれほど救われるだろうか。誰もが経験する「悩み」という問題を、心(頭)という空に発生した雲に例えるならば、覆われた雲が少しでも早くなくなることを願い、晴れやかな青空を眺めたいと思うのは私だけではないはずだ。

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思考として育った悩みは熟成し、具体的なコトバとして固定化される。固定化されたコトバは、じぶんだけで抱えている間はこの世に存在しない状態のままで、アウトプットすることで現界する。その方法は、文字に起こす、声として音にする、再イメージ化して絵にする、といったところだろうか。現界により他者との共有も可能となる。

『話そう。晴らそう。』は、悩みの現界化と心の改善を促すコピーだ。

手っ取り早い現界化は、コトバにして話すこと。話すためには、相手の信用度が一定以上必要になるのは、以前の回でもお話しした。協賛賞となる本作品は、カウンセラー自身が認めた関わり方であることは頷ける。

ただし、コピーとして考えると物足りなさを感じる。本作品は、ある意味においてカウンセラー潰しのコピーでもある。

コピーが示す本質的な意味において、家族や親しい友人、このような信頼のおける心許す人たちに相談することを促している、というようにも読め、悩みの初期段階からカウンセリングを勧めていく肯定感に乏しく思えるのだ。(他にも弁護士などの士業、医師、塾の先生、ライターなどの話を聞く仕事が含まれる専門職系には使えそうですね。)

カウンセリングに着地する要素。写真やイラストといったビジュアル、またはカウンセリングをより印象付ける押さえコピーやボディコピーなどを追加していく方法が考えられるが、コンテストでは使えない。このアイデアからはこのキャッチフレーズで押し通すしかないのかも?! とも思いますが、いかがでしょうか。

次回は、この課題5の最終回であり、2019年のコピー大賞作品が登場します。そのコピーを読めば、本協賛賞の足りなかった部分が見えて、上位の賞に選ばれる視点の違いもわかってくるのではないかと思います。本年度も応募を予定しているみなさん、ご期待ください。


※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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