即決決断という大事なスキル

「皆で話し合って決めなさい」

おそらく多くの人が子供の頃にこう言われた経験があるかと思います。親にも先生にも言われたのではないでしょうか。この考え方は子供にこそ大事な考え方ですが、大人には通用しない考え方です。本日はそんな話を書きます。

子供というのはただお勉強を学べば良いだけでなく、集団生活の中での生き方も学ぶ必要があります。集団生活では、自分の意思だけを貫き通しても駄目で、周りの人の考えを尊重する事が重要とされます、これは子供に限った話ではなくて大人にも重要で、よく「聞き上手な人はモテる」とも言われますよね。このため、「皆で話し合って決めなさい」という考え方は的を射ていて、社会で上手に生きていく上ではとても大事な考え方となります。これができるとできないとでは、人生がだいぶ変わると思います。

では、ビジネスの世界ではどうでしょうか。結論から言うと、何かを決断するシーンになる度に「皆で話し合って決める人」の評価は低いです。もし仮に、リーダー役の人が毎回決断する度に「皆で話し合って決めよう」と言っていたら、周りの人は誰も付いてきてくれません。そう思いませんか？

ビジネスの世界では、リーダーによる即時決断が重要とされています。以前、こんなツイートをしました。

私達は子供の頃から何か揉めると大人から「皆で話し合って決めなさい」と言われてきた。

しかし社会人は違う。リーダーが一人で答えを出すスピード感がビジネスの成功に繋がる。5秒考えた手と30分考えた手は86%同じと言う"ファーストチェス理論"に基づき、即断即決が出来るリーダーが居る組織は強い。

— 【ササキ】働き方研究家×プロの父親 (@sasakikoji_koji) February 25, 2021

実は、5秒で考えた答えと30分考えた答えは、ほとんど同じという調査結果があるのです。ビジネスの世界では一瞬の判断の迷いで運命が分かれると言うことも少なくないですから、この即時決断という考え方はとても大事です。もちろん、日頃から即時決断する事ができるスキルを養う必要もあります。

何かを決断するには、当然その根拠となるヒントが重要となってきます。多くの場合、それは”過去の事例”です。今自分が直面している課題は、大抵の場合において他の人が似た経験していたりします。もしかしたら自分自身が過去に経験しているかもしれません。そういった「◯◯な時は△△」「××な時は□□」という事例を沢山知っておくと、即時決断の成功率を高める事ができます。

この即日決断のスキルを高めるために、社員同士が「自分の決断エピソード」を共有し合う会社があります。リーダータイプの人を集めて、”直近で起きた問題”と”自分の判断”と”その根拠”を紹介するのです。リアルに集まって話し合うこともあれば、最近ではチャットに垂れ流して済ませることも多いようです。そうすることで、他人の事例を認知し、自分の即時決断力を高めることができるのです。

即時決断という能力の重要性をどう捉えるかは人次第です。ですが、ビジネスは決断シーンが沢山ありますよね。それら一つ一つに時間を割いていてはキリがないので、簡単に済ませられる決断は簡単に済ませ、本当に難しい課題の決断に時間を割くのがスマートではないでしょうか。