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私が大好きだった先輩は”人たらし”だった

 先日、私が大好きな先輩社員が定年を迎えるとのことで、わざわざ電話で連絡をしてくれました。そのことについては以下の様なツイートしています。

 この先輩とは直接的に上司と部下という関係になったことはありません。私の本職は企画やマーケター、先輩はPMやSEといった職種です。職種は違うのですが、同じ事業分野に身を置いていたということもあり、様々な仕事でご一緒させていただき、沢山の学びを頂きました。

 先輩との出会いは実は私は覚えていなくて、当時地方にいた先輩が本部に居た私のことを一方的に知っていてくれたそうです。後に先輩が本部に戻ってきた時、当時私が担当している新商品のプレマーケになぜか先輩が同行してくれて、まだ完成してもない商品を二人で売りまくったのが私の中の最初の記憶です。

 この先輩は困っている人を見つけると放っておけません。「どしたの?」「なんかあったか?」と気怠そうに声をかけて相手の反応を見ます。この先輩がめちゃくちゃ仕事ができて頼りになるということは誰もが知っているので、困っている人は「実は・・・」と実情を話します。状況を理解した先輩は「こうすれば良いよ」とすぐに答えを出すのではなく、「どうしよっかねぇ」から始まり、困っている人に歩み寄って一緒に答えを模索します。調教ではなく、ちゃんと育成しているのです。調教と育成の違いについてはこちらを参照ください。

 この先輩、困っている人がいたら必ず助けるのですが、逆に先輩自体も頻繁に困っていて、そんな時は必ず誰かに助けてもらっていました。仕事ができるが故に無理難題を押し付けられることが多いのですが、先輩が頭を抱えていると「◯◯さん、元気ないですね、どうしたんですか?」とすれ違う人に片っ端から声をかけられます。先輩も「いやー、実はこんな事態に巻き込まれちゃってさー」と素直に現状を説明するのですが、すると必ず「◯◯ならツテがあるんで聞いてみますよ」「それなら、この部分は私がお手伝いできますよ」「○○さんを紹介しますね」と皆がこぞって先輩を助けます。人を助け、人に助けられる、こんな好循環が当たり前の様に成立しているのです。

 そんな先輩は常に大量の仕事に囲まれ、特に厄介な仕事ばかりが舞い込んできていて、でもいつも仲間たちに囲まれて楽しそうに働いていました。以前、このようなツイートをしました。

 この先輩は人を巻き込む天才なのだと思います。いわゆる”人たらし”です。どの世界にも全身から溢れ出る魅力で人を惹きつけ離さない”人たらし”がいますよね。私が大好きな先輩も”人たらし”でした。でも、”人たらし”になりたいと思っても、どうすればなれるか分かりません。先輩に聞いても「はぁ?何わけわからんこと言ってんの?」と返ってくるだけです。なので、そんな野暮なことは聞かず、先輩がしてきた様に困っている人を助け続ける、そんな姿勢を忘れずに実行していきたいと思っています。そうすれば少しは先輩に近づけるかなと。

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