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メキシコの日本食レストランでメキシコ人と働くことについて

仕事内容ってどんな感じなんですか?
と聞かれると、どう説明したら良いのかがわからないことがある。

肩書きで言うとレストランGOENケレタロ店の料理長になるが、僕は洗い場にお皿が乱雑に溜まっているのを見れば皿洗いを始める。お皿が回らないと料理の提供も遅れるし、テーブルから空いた皿を取り下げるのも遅れるからだ。
オフィスの掃除もほぼ毎日する。オフィスではいろんな書類が置かれる上、休憩に使う人もいるし食事もされる。荷物も置かれる。だからカオスになりやすい。キッチンの一角にあるオフィスがカオスだと、その雰囲気がキッチン全体に伝染して、今度はキッチンもカオスになる。だからオフィスは綺麗に掃除する。
サービススタッフが手薄だと感じたら客間に出てはオーダーを取り、お皿を下げたりもする。

そんなこんなで本業から外れ、キッチンではその日一度も料理を作らないことだって多々ある。
だから、たまに本業をサボってるのではないかと指摘されるし、サービス担当のメキシコ人スタッフから面倒臭そうな顔をされたりする。

指摘に間違いは無い。

肩書きがとりわけ重要視されることメキシコにおいては不可思議な動き方だろうし、チームも大きい。肩書きを越えてフレキシブルに動く人は小さいチームに比べて少なくなるものなのかもしれない。そしてそもそも僕自身が器用に立ち回れていないのもあるだろう。

お客さんに楽しい時間を過ごしてもらうためには料理をどうやって作るべきか、サービスはどうしたら良いか、空間は、どうやったら料理がスムーズに提供されるか、サービススタッフがゆとりを持って接客をできるか、、。全体を見て、考えるようにしているし、指摘するようにしている。正直、スタッフにどう思われるかとかどうでもいい。(かといって言いすぎて現場の雰囲気を悪くしたらお客さんにも通じてしまうのだけど)それはお客さんに関係ないと思っている。
また、指摘するときには良いか悪いかを言うだけじゃなくてちゃんと教えるようにしている。それも丁寧に。だから本気で日本食を学びたいような料理人だったり日本文化を勉強したいサービススタッフはついてきてくれる。

メンタルがやられないと言えば嘘になる。
こんな感じでやっていると当然、周りの9割くらいのスタッフとの距離が生まれるし(特にサービススタッフ)、そんな空気に萎縮することさえ多々ある。人事から、シェフの態度が悪いと一部のスタッフからクレームが来たと通知されたこともある。

お客様に良い時間を過ごしてもらうことを大事に、現場全体を見て考えていて、嫌われても構わないからと周りに本気で意見を伝える人がダメなのか、1人は現場にそうゆうやつも必要なのでは、と思ってやってた。
良いサービスをすれば、わかりやすいところで言えば売り上げが上がって、それで僕らはもっといろんなことにチャレンジができるし、サービスのクオリティもあげられる。貰えるチップだって増える。そしたらみんなのLQが上がる。今まで昼ごはんにタコス2つしか買えなかったのが今度は3つ買えるようになるかもしれない。その次はイタリアンでのランチが選択肢に加わるかもしれない。

そんなふうに思うのって、なんか違ったかな。
今まで仲良しを重視して勝てた経験がなかったから、尚更そう言う考え方を大事にしてたけど、もっとずっと深く考える必要がある。

なんか久しぶりの記事なのに、取り止めのない感じになってしまった。
良い方向に進んでいるのか時々わからなくなる。

今年末に乗り込む舞台のコロンビアで絶対に負けたくない。それだけが明確にわかっている。
しかしのこと、ただただ心細い。し、こういう日々の現場で微弱に吹く向かい風の冷たさは、敏感すぎるほどに感じたりする。

つづく。

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