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イノベーションデザインに役立つ選書1−世の中の流れをバクッと掴む−

読みたい本が多すぎてどんどんポチる→読むスピードが追いつかずに積読→忘れていたが半年後ぐらいにふっと思い出して読んでみる→その時にマッチしていてめっちゃ役に立つ!っていう、よくわからない読書サイクルになっているこいけです。

さて、イノベーションデザイン、新規事業開発においてもインプットはめっちゃくちゃ大事、というわけで、テーマを分けて選書していきたいと思います。今回は「世の中の流れをバクッと掴む」がテーマです。「デザイナー」は社会の変化に敏感であるべきだと思うし、変化に意味を考えながら過ごすのが習慣になっています。(ほんとう?って声は無視しておきます)ただ、はじめて新規事業を担当する人はそうではないと思うので、このあたりの本を読んでおくとよいのでは?ってそんな本たちです。

ちなみに、軽いノリで書いていますが、WHITEで支援する新規事業開発のプロジェクトでは、はじめのインプットをめちゃめちゃ大切にしています。なぜなら、新規事業は顧客にとっての価値を考えるだけでは実現できないからです。ここでは詳しく書きませんが、新規事業は、顧客・社会・企業にとって「三方よし」を満たす必要があります。経験上、いずれかの価値が欠けているとプロジェクトが途中で頓挫する確率が非常に高くなってしまいます。また、プロジェクトメンバーの現在とその変化(≒メガトレンド)について最低限の共通理解が構築できていないと、前提条件があいまいになり議論が「しっくりこない」「噛み合わない」状態になることが多いです。そのためにも、はじめのインプット(書籍、デスクリサーチなど)は大切にしていきましょう。

【1】
〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
Wired初代編集長のケビン・ケリーの著書。2016年発行なので結構古めですすが、現在読んでも全く違和感がない。インターネット、テクノロジーに導かれていく12の不可避な潮流を紹介しています。潮流はすべて進行形(〜ing)でキーワードとして抽象化されていて、さまざまな産業に潮流(キーワード)を掛け合わせるだけでも、新しいアイデアにつながっていきそうワクワクします。

【2】
2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望
おなじみの落合陽一さんの著書。タイトルのとおり「2030年の未来はどこに向かうのか?」を人口構成の変化、テクノロジー、地政学、SDGs(持続可能な開発目標)という視点で提示しています。さまざまなデータがわかりやすくビジュアライズされているため、落合さんの「解説」を読む前に自分なりの考えを持ちながら読み進めていくと楽しめると思います。
未来を考えるには、現在を構造的に「正しく」理解することが大事です。そのための素材集としてもかなりオススメ。ちなみに、WHITEでは未来視点で新規事業を考えていく際に、ヒト(年齢構成、価値観)とテクノロジーの変化を構造的に捉えることで社会の変化を導き出しています。

【3】
テクノロジー思考 技術の価値を理解するための「現代の教養」
シンガポールにてイノベーション投資を行っている蛯原さんの著書。序章〜第5章まではテクノロジーがもたらす世界の大きな変化の現在地(事象と争点)がVCらしい視点でわかりやすくまとめられています。"インターネットは成長産業ではない”、"イノベーションのインフレ、失敗のデフレ”など、ハッとさせられる指摘も多い。第6章以降の、欧州、インド、中国、米中など各国の現在について、テクノロジーに起点にしながら歴史的な背景や地政学と掛け合わせた解釈は新鮮で読みながらワクワクしてきます。
また、著者は"近年において世界のあらゆる事象、組織、そして人間にテクノロジーが深く関与し、また支配的な存在として強い影響力を与えている”、そして、"テクノロジーに対してする正しい理解は「 better to have」でなく「must have」となった”と指摘するが、全くその通りだと僕も思います。

【4】
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
上記の3つはテクノロジー起点での社会変化が書かれているが、本書は人口減少に焦点を当てています。不確実性が高い時代において唯一決まっている未来が人口構成の変化である。そして、人口構成が変化している未来は現在とは前提条件が全く異なる世界になっているはずです。例えば、65歳以上が3人に1人になった場合の社会課題が現在と同じであるはずがありません。一人暮らしが増える?3戸に1戸が空き家に?介護離職が増える?など、人口構成の変化がもたらすであろう社会の変化が数多く書かれています。
超高齢化社会、人口減少は多くの国が近い将来に対面する大きな課題です。日本は課題先進国であり、この領域のおける新規事業はグローバル・スタンダードを狙える可能性もあると思います。そう考えるとワクワクしてきませんか?

というわけで、4つの本を選んでみました。「かなり王道だなぁ」って選んでみて感じましたが、読んでみたくなる本はあったでしょうか?
似たような本が多い感じた方もいるかもしれません。その感想はたぶん正しいです。僕がインプットしようする際は、テーマ、および周辺テーマについて書かれている本を3〜5冊程度は読むように心がけています。そうすることで、多様な素材から自分なりの意見、解釈をつくれるようになるし、周辺テーマもあわせて把握することでエッジが明確になり、他人によりわかりやすく説明できるようになるためです。みなさんも「1テーマ3冊」を読んでみてはいかがでしょうか?

以上、リモートワークになって読書の時間が増えるぞ−って思っていましたが、増えたのは犬の散歩と家族との時間だったこいけでした。それでは。

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