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バイトしながら大学通信教育で保育士資格を取った話②

完全に勢いで入学の申込みをして、しばらくたったある日。
自宅に大きい段ボールが届いた。

開けてみると、教科書の束がこれでもかという程詰まっていた。
…正直「しまったな」と後悔した。
自分の選択が間違っている気もした。
到底こんな量をこなせる(しかも働きながら)はずがないと思ったし、普段は一人で勉強しなきゃいけない。
どうやって始めたら良いのかもわからなかった。

不安、先が見えない。

パラパラと教科書や案内をめくって眺めていると、
学校を卒業されたOBの方々が全国にいらっしゃり
相談窓口にもなっているらしく連絡先が記載されていた。

何名か書いてあったが、とりあえず自宅の近くに住所があった女性に電話をかけている自分がいた。

確か夜電話したと思う。
高校を卒業して入った会社をすぐ辞めたこと。
保育士になりたくて資格取得を目指したいが、お金がないから通信教育で学ぼうと思ったこと。

これからアルバイトしながら学費を捻出すること。
目安が4年と記載されてあったが、卒業できるのか?
不安なことをつらつらとその女性に聞いてもらった。

声から、私よりはるかに年上であろうその女性は
うんうんと私の話を聞いたあと、笑いながらこう言った。

「あなた、まだ19歳でしょう?
大丈夫よ。まだ若いしこれからじゃない。がんばって!卒業もできるし、またなにか不安なことや聞きたいことがあったら電話ちょうだいね」と。

聞いてもらい、いくらか不安が和らいだ。
大丈夫かも、そう思った。
通信教育ってひとりで黙々とやらないといけないものだと思ってたけど、全国に仲間はいるんだ。

そう思ったら心が軽くなった。

ちなみに私は卒業するまでこの女性に一度も電話をしなかった。
今思えばちゃんと卒業できましたよ!とお礼を伝えれば良かったかもしれない。

そうして19歳の秋から私の挑戦が始まった。


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