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ケンタッキーフライドチキンとワインのペアリング

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はじめに

先日、Twitterでこのようにツイートをしました。

「ケンタッキーフライドチキン」と「ブレッド&バター ピノ・ノワール」の相性が抜群すぎる。これは試してほしい。

こちらの文章に1枚の写真をつけたとてもシンプルなツイートに対して、1,000名様近い方がいいねボタンを押してくださり、多くのリツイートをいただきました。

「ケンタッキーにワイン?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ホームパーティーやワイン会等、その場面を経験している方も意外と多いのではないでしょうか。

ペアリングを実践したこの日のワイン会は、貸しスペースでの開催ということで、料理もワインも皆んなで持ち寄り。ワインスクールの授業直後で、私はまだ料理を購入できていなかったため、急いで買い出しへ。

持ち込みワインのラインナップは出発前に確認をしていたので、ワインディレクターを名乗る私としては、相性の良い料理を選ぶことは必須課題。プレッシャーというよりは、それが自分自身としての楽しみでもあり、日常的なライフスタイルでもある。

ということで乾杯に間に合うように、急いで街へと駆け出したのでした。


ケンタッキーフライドチキンに合わせたワイン その特徴とは

いくつかのお惣菜屋さんを回ってみたものの、なかなかピンとくるものは見つからず、その後まさにピン!ときてゲットしてきたのが、「ケンタッキーフライドチキン」。

「オリジナルチキン」と「骨なしケンタッキー」をセレクトし、その後合わせたワインが冒頭でのツイートのとおり、アメリカの赤ワイン「ブレッド&バター ピノ・ノワール」でした。

こちらのワインは、ソノマ・カウンティー、カーネロスとモントレー・カウンティー等で収穫されたピノ・ノワールをブレンドして造られています。ワインは一部、新樽のフレンチオーク樽で熟成。

ピノ・ノワールらしい赤い果実の香りと風味、ラズベリーやイチゴのニュアンスはありながらも、樽由来の香ばしさがあり、甘いスパイスのニュアンスが広がる。ブルゴーニュのスタンダードなものと比較すると、果実の甘さとスパイスのニュアンスが特徴的です。


ブレッド&バターワイナリーは、2014年に設立されたばかりの新しいワイナリー。市場調査会社ニールセンの発表する急成長企業トップ500にワイン生産者として唯一選出され、その注目はワイン業界だけにとどまらない。今回のワインは、DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)と同じピノ・ノワールのクローンから造られる。
ケンタッキーフライドチキンは、カーネル・ハーランド・サンダースによって設立。サンダースは、大恐慌の時代にケンタッキー州コービンの国道沿いのレストランでフライドチキンの販売を開始。ファストフード業界にフライドチキンを普及させ、市場の多様化をもたらす。


なぜこのワインがケンタッキーに合うのか

ケンタッキーフライドチキンのザクザクとした香ばしさを伴う食感と鶏肉の旨味、そして味わいの中盤から後半にかけて広がるスパイシーさに、ワインがもつ要素がしっかりと同調しながら風味をさらに広げてくれる。

「チキンとピノ・ノワール」という基本ベースにある相性の良さを起点に、衣の香ばしさとその厚みに対するワインの香ばしさとテクスチャー。程よい辛味に対する豊かな果実の甘味。このフライドチキンのスパイス感と樽熟成したワインの甘苦系スパイスのニュアンスの同調。そして同じ国どうしのマリアージュ。この組み合わせには相性を高める数々の要素が存在しています。

料理とワインのペアリングにおいて、その理由となるポイントが数多く存在するほうが、より相性の良さを向上させることができると私は考えています。つまり、良い相性には必ず理由が存在し、その理由は多い方が説得力は増していく。

上記の観点を意識したこの組み合わせは、多くの方にとってご納得いただけるペアリングになっていると自負しています。

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ケンタッキーフライドチキンに相性の良い飲み物

私はバーテンダーとしての経験も長いため、「ケンタッキー州」と言われてすぐに思いつくのが「バーボン郡」。

つまり、ケンタッキーはバーボンウイスキーの発祥地ということにもなります。バーボンの特徴といえば、主原料であるトウモロコシのフレーヴァーと香ばしく甘い樽のニュアンス。そして樽由来の心地よい渋みも感じます。

実際にケンタッキーフライドチキンとバーボンハイボールを合わせていただけると、抜群の相性であることを心からご納得いただけると思います。

他にも、もしビールと一緒にいただくのであれば、いつも飲んでいる国産のビールを今回だけは「バドワイザー」にチェンジしていただくのもおすすめ。

「バドワイザー」⇨「ブレッド&バター ピノ・ノワール」⇨「バーボンハイボール」の流れでのフライドチキンとのペアリングメドレーは、思い出に残る素晴らしい体験となるでしょう。

飲み過ぎと食べ過ぎには注意していただきながら、ぜひお試しいただければと思います。

*個人的におすすめしたいバーボンの銘柄は、こちらの「ワイルドターキー8年」と「ウッドフォードリザーブ」。

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最後に

ここまでお酒を前提としてお話してまいりましたが、もしノンアルコールでいただく場合、コーラももちろん素晴らしいのですが、ぜひこのコーン茶を使ったヘルシーなノンアルコールハイボールもお試しください。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。約一年半執筆を続けてきたこのnoteもまもなく200記事。

皆様が食事をもっと楽しむためのヒントになる情報を、これからも一つ一つの記事を通してお送りしてまいりますので、引き続きご覧いただけれると嬉しいです。

ではまた次回の記事でお会いできるのを楽しみにしています。


ワインディレクター 田邉 公一


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