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なぞり語りということ(20221021)

 発話をするというのは、まだ象(かたち)になっていない<わたし>の中の「これ」を特定の言葉遣いへとアレンジすること。その意味で言うと、学習者には、他者における「『これ』のアレンジの仕方」をまず知らせ、経験させなければならない。NEJのナラティブはそのようなものを示しているのですが。

 他者における「『これ』のアレンジの仕方」を知り、経験し、まずはそんなアレンジの仕方をなぞるように模倣して、身体に覚えさせる。そういう言語的な身のこなしを具体的な一連の言葉遣いをも伴いながら「身体化」しないと、新たな言語を「身につける」ことはできない。

 また、なぞるように模倣するときは、他者における「『これ』のアレンジの仕方」に身体が共振するようになぞり語りをしなければならない。この身体の共振ということを考えると、早いタイミングで学習者に話させるのは禁物。モデルの語り方に学習者の身体が共振し始めてからようやく声を出させるべき。

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