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5年後の「食」ビジネスを考える。

エクササイズとして、考えてみてほしい。

今後5年で「食」について、どんな新しい事業が発展していくだろうか?あなたは、どんなアイデアが出せるだろうか?

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こんな料理/食材が伸びる、という回答がまず思い浮かぶだろう。●●国の××という料理がスゴイ、みたいな話。でも、食のヒットは、たいていのものは一瞬のブームで終わる。

白いたい焼きも、タジン鍋も、食べるラー油も、タピオカミルクティも、マリトッツォも、長さは違えど、いつかはブームに陰りが来ることなんて、あなたは早々に気づいていたはずだ。

だとすると、そんなブーム商材に乗ってビジネスを始めるのは危険すぎる。

もうすこし長期的なトレンドになるようなものは何か。食材や、料理ではないはずだ。

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デリバリー業、というのは一つの正解になるだろう。

ウーバーイーツとかは人力でこなしているけれども、もう少し先を見据えるなら、ドローンや自動運転の活用も進むだろう。これは一過性のブームではなく、長期的なトレンドと言えそうだ。

モノからコトへ、も長期トレンドだと言えるだろう。特別な場所で、特別な経験をしながらの食事には、人々はより大きな価値を見出してくれることに違いない。

サブスク、はどうだろうか。定額で様々な料理を届けてくれたり、安定的に素敵な品を届けてくれるサービスも、それなりに伸びてくるはずだ。

このように考えると、新しい料理/食材(商品)にすがるよりは、ビジネスモデルにこそ立脚したほうが、大きなトレンドに乗れる可能性が高そうだ、といえる。

だが、これらの事業を手掛けたとして、あなたは成功をどれくらい確信できるだろうか。

あなたが「孫正義」であれば、上記のようなビジネスにYesと答えられるかもしれない。金と能力があるからだ。激しく競争が巻き起こる中でも、あなたはその類稀な能力、資本力、組織力で勝利を収められる可能性が高い。

それではあなたが、特に何のスペシャルももたず、資本力もない、一般の人であればどうだろうか。必死の努力と、そこに多大な幸運が重なれば、成功を収められるだろう。だが、今から食のデリバリーで成功してみせろと言われて、多くの人は殆ど勝ち筋を見出すことはできないはずだ。

もっと、可能性が高いビジネスアイデアはないものか?

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もし、あなたが今、トレーサビリティを扱う事業や技術に【携わって】いるなら。食の安全や信頼が問われるようになる社会で、農産品のバリューチェーン上のフローを追跡できるようなITシステムに挑戦してみようか、と思うかもしれない。

果たしてその事業がどれくらい成功するのかと問われれば、やっぱり不安は大きいだろうけれども、誰しもが思いつき、誰しもが始められそうなデリバリー業よりは儲かりそうな気がする。

もしあなたがデータサイエンスのプロとして、生産品の収量改善のプロジェクトなどに【携わったことがある】なら。

農林水産、牧畜業などで、データを活用した生産の改善の事業を立ち上げれば、それなりに成功確率は高くなりそうに思われる。

もしあなたが今、素晴らしい景観に恵まれた農園で、自給自足で農業生産を【している】なら。

その経験としての価値を正しく理解し、それを観光客に提供することで、すぐれた経験的な消費を促進する事業がつくれることだろう。

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結局、あなた自身の技能や経験の中からしか、わずかにでも確信をもって取り組める事業など、生まれないのではないだろうか。

万人が気づく新事業は、レッドオーシャンだ。少しでも青く澄んだ水が見える可能性があるとすれば、それは、あなたを含めたごく少数の人だけが手掛けている事のはず。

そして。

他人よりも上手にやってのけてみせる。

そんな、根拠のある自信を与えてくれるのも、あなたの技能と経験のはずなのだ。

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