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日ハム新庄監督はアリなのか?を経営学者が解説する

先日YouTubeのほうでも解説させていただき、好評でしたこのテーマ、経営者の仕事とは何なのか?ということについて、大切なポイントが詰まっていると思いまして。文字にも、しておきたいと思います!!

YouTube「日ハム新庄監督ってあれでいいの?経営学者が解説してみる」はこちら!

連日、話題をさらっている新庄監督ですが、話題先行で、本当にあれでよいのか?と疑問をもつ方は少なくないのではと思います。選手より目立っている姿に、どことなく反感を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この点、経営学の理論からはどう評価できるのかを明らかにしておくことは、皆さんにとって有益なのではないかと考えています。

結論からいうと、ここまでの新庄監督の活動は、非常に高く評価できます。

「トップマネジャーの役割論」というものが経営学の1領域として存在します。経営学が生まれたその瞬間、チェスター・バーナードが著した書籍がそもそも「経営者の役割」ですし、ドラッカーの「マネジメント」も、総合的に経営者たるものどうあるべきかを論じているものです。

それを科学的に突き詰めたのが、ヘンリー・ミンツバーグ
彼の手による本のタイトルは「マネジャーの仕事」。実際に調査を進める中から、マネジャーが組織においてどのような機能を果たしているかを明らかにしています。

ミンツバーグはそこで、10にも上るマネジャーの組織機能を挙げていますが、重複する部分も少なからずあるので、後世の学者はそれをもう少し綺麗に整理する仕事をたびたび行っています。

リクルートマネジメントソリューションズのまとめはこんな感じ

私なりにもまとめてみると、それは大きく以下の4つになるかと思います。
・意思決定をする役割
・組織のリーダーとして主導する役割
・対外的代表者としての役割
・内部の調整者としての役割

ポイントは、鋭い意思決定をする戦略家としての側面や、組織のリーダーとしての側面だけじゃないというところなんです。

特に、対外的に、その組織の代表者として振舞い、その組織の顔としてみられる役割。これは、小さくない。アップルといったとき、多くの人はいまだにスティーブ・ジョブズの顔を思い浮かべるだろうし、ソフトバンクといえば孫正義を思い浮かべる。組織に対して抱くイメージ、期待というものは、数万人からなる組織だとして、結局トップその人によるところが圧倒的に大きいのだ。

そのような目線で見た時。
もう、お分かりですね笑。

新庄監督は、少しイメージが曇りがちだった同球団においって、対外的な顔としって、120%の仕事をしているといえるわけです。顔、であればいいんです

そもそもプロ野球チームのマネジメント業務というのはもとより分業制です。日ハムはこれが徹底されており、内部調整役は完全に稲葉GMの仕事となっています。

また、組織のリーダーとして主導する役割も、我々の想像以上にしっかりされています。思ったより厳しい、と表現すべきかもしれない。自由放任であり、主体性に任せていた前任者に対し、新庄監督はむしろ選手を統制しながら、モチベーションを高めようとしている。自身も注目される選手であったことから、選手に対してどう接すべきかをよく理解している。

そんなわけで、ここまでの活動を評価するならば、「経営者の役割」の理論に従って言えば、抜群の働きをしていると評価すべきなのが、新庄監督なのです。

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もう一つの、経営者の役割。、戦略家として意思決定をする役割については、シーズンが始まってみないと、新庄監督の力量たるや如何なるものか、まだ分かりません。最終的な結論は、シーズンの終わりに出ることに、なりますね。

とはいえ。

新庄監督、采配面はどうなのか!?というのを、シーズン始まる前から野球ファンをワクワクさせてくれている点をもってしても、新庄監督の野球界への貢献は既にして計り知れず、球界全体として大いに評価し、新庄監督に感謝すべきであろうと思います。


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