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テレ朝の深夜宴会・女性社員負傷事件が、同社にとって結構痛い理由。

報道機関にとっての、目には見えないけれども最重要な経営資源は、発言の【説得力】です。「伝達」という社会的機能を果たすことが報道機関の存在理由であり、その伝達の基盤となるものが説得力だからです。説得力のない情報は無力です。

説得力は、話者と聞き手の2者間関係において生じるものであり、社会構築的(socially-constructed)な側面を有します。社会構築的とはすなわち、情報そのものの質・量・正しさ・重大さもさることながら、相互の置かれた環境や、お互いが抱える感情、そして関わり合い方によって、情報がもつ意味や重さが変わってきてしまうということ。

同じ発言をしても重みが違うのはこのため。

経験からくる言葉、
専門家の言葉、
立場のある人の言葉、
親しき友人の言葉が重いのは、
説得力が社会構築的に出来上がっているからにほかならない。

「おまゆう」(お前が言うな)にも科学があるということです。

で、今回の件。

テレビ朝日が現在(2021年8月現在)最重要イシューとしているのは、「コロナ対策」「自粛」「オリンピックの功罪」、そして、それらと紐づけられた「政権の在り方の批判」でした。

これらの言葉が説得力を持つのは、もちろん、コロナ対策が万全で、自粛を推進し、オリンピックに対して批判的な姿勢を保持できているときです。

それらをフイにしてしまったのだから、今回のやらかしはあまりにも重いのです。若手社員の軽率なミスとは片づけられない。自社製品・サービスの中核に関わる信用失墜なのであって、損害の程度は極めて大きい。

かくして、テレビ朝日、かなり、厳しい。一般企業なら、しっかりとした検証・対策を打ち、事業継続の可否を市場に問わねばならない局面だが、果たしてそれが出来るだけの器量はあるか。

※トップ画像がYouTubeのサムネなのは手抜きです。すいません…
動画はこちら
https://youtu.be/es0b1pvRuaQ

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