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理論通りにはいかない現実、について

言葉の仕事をしている知人から、「人類の判断ミスの数だけバグが多いのが現実。理論通りにいかないときに、どう振る舞えばよいのか」という興味深いコメントを頂戴しました。

判断ミスの数だけバグが多い現実、という表現が上手で、どこかで使えるなあ~笑と思って皆さんにもシェアしちゃうのですが、社会というものの、ひとつの本質を見事に表現されている言葉だと思います。

社会がどう出来上がっているかと言えば、過去の人類の判断によって出来上がっている。そこには正解もあれば間違いもあったわけで、だからこそ社会には不条理がはびこっている。

つまりは、それが自然な状態だということ。人間社会は、アップデートの歴史だけ、バグが多いプログラムなのです。

まずはそこを認めることが出発点なのかもしれません。不条理、非合理を嘆いてもしょうがない。

しかし、そんな中で「理論は使えん」と切り捨ててしまうのが正しくないのは、ここまでの論理からも明らかであるはずです。本来、理屈で言えばこうあるべきものが、バグの積み重ねでこうズレてしまっている、というような分析・考察が可能になるのは、あるべき形はどうなのかという理論を知っていてこそです。

だからといって、「理論通りにやれば成功する」ようにも社会は出来てはいません。

かくして、「理論通りならこうだが、こういうバグが発生してしまっている以上、このように応用すべきだ」という意味での「理論を現実にどう適用するか」が、この社会の成り立ちからして大切だということになります。

私はこの非合理・不条理が自然状態となる人間社会で、志をもって形を正そうとされる方にこそ、敬意を表したい。

そして、そうした人にこそ、理論と現実をつなぐための技法が必要になる。

私はそうしたものとして、経営学の理論に立脚して、現実世界の中での理論を伝えていきたいと思いますし、皆さんにもそのように理論に接してもらえたらと願っています。。

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