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朝の大菩薩峠にてひとり歩き

暗いうちから山を登って稜線で朝を迎えるイメージの山行計画。
大菩薩峠は少し下の上日川峠から1時間ほどで上がれる稜線上にある。
標高1585メートルの上日川峠までは車で来られる。

朝の6時前に着いたが、想像以上の暗闇に怖気付く。
車を降りることさえ憚られる。

とはいえ、朝はあっという間にくる。
身支度をしている間に、ヘッドライトもいらないくらい明るくなっている。
結局、日が昇ってからのスタートだ。
多分、気温は0度を下回っている。

最近、足が細くなった。多分、筋肉が落ちた。
山を歩き続けてついた足の筋肉…お気に入りだったのに。

しっかり呼吸を意識して、足は大股にならないように。

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稜線上の大菩薩峠に着いた途端、冷たい風が吹き、一気に体感温度が下がる。
緩やかな登りで温まっていた体は歩いても歩いても暑さを感じなかった。

人の気配がない稜線歩きは最高に気持ち良い。
(1組いらっしゃったのだけどね、ペースが早くすぐに姿が見えなくなった)
眩しい朝陽のもと、思いのままに立ち止まり写真を撮ったり、ただ眺めたり、時間を気にせずに過ごす至福のとき。

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この目の前の波打つような山並み。
アルプスの壮大な稜線美も好きだけど、この山域の、水面が風で静かに波打つような、柔らかい絨毯のような(いや、絨毯じゃないのだけど…語彙力が…)、この山々の地形が、すごくぐっとくるのだ。
そして、どの山からでも見えると元気が出る富士山。今日は笠雲がかかっている。

私は、なんで山に登るのかをいつも考える。
この日も考えながら歩いた。

自然に触れることで、自分の感受性が、五感が、大喜びしているのがわかる。

きれい、可愛い、美味しい、あたたかい、寒い、冷たい、楽しい、苦しい。

生きてるって気持ち良いなぁって思う。

人が少ない静かな山の中で、日常生活のしがらみを忘れて、そういった感情をただただ味わいたい。
そして、その感情のフィルターを通して、自然の写真を撮りたいのだ。

これって、なんか最初の方のnoteにも書いたような。
ずっとぐるぐると同じことを考えているのか。
やりたいことは明確なのに、ずっと足踏みしている感覚は、自覚している。

もっと自分を外に出したら、やりたいことやらせてあげたら、
もっともっと新しい感情や想いや言葉が出てくるような気がする。

来年はまだまだ知らない、初めての自分に出会いたいなぁ、と思う。

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