ふたつのスピカ

幼い頃、朝方
ぼんやりとみていたアニメ
をいまも覚えている。

『ふたつのスピカ』
女の子が宇宙飛行士をめざす話。

それだけは覚えている。

たまに
主題歌とシーンの断片だけ
思い出す。そんなアニメ。

なんだかまた見たくなって
バンダイチャンネルに登録して
一気見。

記憶よりも何十倍も
奥深かった。

主人公アスミは
有人探査ロケット「獅子号」の墜落で
母親を亡くす。

それでも、宇宙飛行士を目指す。

そこにはジブリ作品
『風立ちぬ』にも
似たジレンマがある。

好きなものを貫く痛み。

『風立ちぬ』では
戦争の兵器である
戦闘機をつくることに
主人公は情熱を燃やす。

ただ好きなことに夢中なのに
どこか悲しさが伴う。

そのもの悲しさを包む
優しさが作品全体に流れている。
それこそが『ふたつのスピカ』
の醍醐味だ。

悲しいけど、あたたかい。
生きること自体、
そういうことなのかも
しれないとぼんやりと思った。

使われている音楽も
作品とマッチしていて
すごくいい。
作品を思い出すとき
この2曲が頭の中でかかっていた。

OP曲『Venus Say・・・』
曲：Busy

ED曲『見上げてごらん夜の星を』
曲：BEING

誰かに、自分に優しくなるアニメ。
続きを見るのも楽しみ。