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大人のつもりだったけど、まだまだ子ども

日本で生活していた時、特に大学2年生頃からは、僕は自分を大人だと思っていました。

コロナで学校に行く機会がなくなり、他に学生のいないアパレルのアルバイトを続け、常に大人に囲まれていたからかもしれません。

更には、元々の趣味嗜好が大人らしいもの(という定義は曖昧ですが)を好んでいた事からも、自分はもう立派な大人になったのだと、潜在意識的に思っていました。

見た目は20代後半、そして精神年齢はもう50代だねと周りから言い続けられていた事もあります。僕は早く大人、というより渋みや味が欲しいので、とても嬉しい言葉で、誇りに思っていました。



その時と同じ状態のまま、僕は渡仏しました。
寧ろ、こちらに来てから1度誕生日を迎えているので、数字的には今の方が(当たり前ですが)大人になっているはずです。

そのはずですが、こちらに来てから、自分は子どもだなと思う時がとても、とても多くありました。

フランスに来る途中のトランジットでパスポートを無くしたこと。渡仏1ヶ月で金銭詐欺にあったこと。初めての一人暮らしの貧しいご飯、この4ヶ月3回も体調を崩しました(1回は重い胃腸炎、1回は重いコロナ、本当に大変でした)。

新たな環境で、心の余裕を失い、友人に良くない態度を取ってしまったり、本来の自分ではない嫌な自分が出てくる時もありました。

そんな中でも、日本にいる家族、そしてフランスの両親のようなとても優しく寛大な友人、学校の友だちなど、色んな大人の方々に支えられて、何とかやってきています。

そして支えられる度にまた、ああ自分はまだ子どもだなと痛感するのです。



このまま社会人になっていたら、どうなっていただろう。子どものまま、社会人になっていたら。

ネガティブな言葉を公共の場で発するのはとても嫌ですが、正直今は少し辛い時期です。自分の無力を感じ、未来をとても不安に思います。

それでも、ここに来なかったよりも、確実にあらゆる物事は良い方向に進んでいる。長い時間でこの状況を見つめ、いつかそれを実りあるものにしたいと思っています。

幸い、今は年末です。どんな嫌なことも今年に置いてきて、新しい一年を始める絶好の機会です。

僕は1度パリから離れ、大きな自然に囲まれて、深呼吸をして来ようと思います。また何か新たな発見が出来ればいいなと思いながら、その道中の車でこの文章を記します。

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