河野宏子(こうのひろこ)

詩人 / poet / 시인

河野宏子(こうのひろこ)

詩人 / poet / 시인

マガジン

  • 河野宏子 過去の作品

    詩集を作るにあたって、過去の作品をこちらにまとめていきます。 古いものだと、もう15年ぐらい前の作品もあり少し恥ずかしいですが 今は(照れ臭くて)書けないものもあります。若かったんだなぁ。

最近の記事

疑心庵日記

本当についてないというか、ろくなことがない日々が続いている。 友人が亡くなり、夫が倒れ(一応復帰しています)、諸事情あって推し活を休むことになり、仕事は増え、休みは減り、白髪が増えた。家庭内は、なんかずっとギスギスしている。友人の残した仕事もできれば引き継ぎたい……けど力不足は明白だし同じようにできないのはわかってる。加えて所属しているダンスチームの中で経験者と練習時間のたっぷりある若者に追い越されとうとうビリになってしまい(これは落ち込みを理由に練習を減らしていたので自業自

    • 説明の難しい感情

      唐突だけど、子どもが生まれてから、 子どもが酷い目に遭うだろう作品はなるべく観るのを避けている。 もうわかっているもの(火垂るの墓など)は繰り返し見ない。 どんなに良い作品だとしても、しんどい。 ただただ、自分の弱さゆえ。 フィクションならなんとか大丈夫だけど、 それでも、鑑賞時に味わう苦しさが 母親になる前とでは雲泥の差だ。 それと似たような感じで、この数週間は アルコールに溺れる人を表層の、切り取られた ほんのいち部分としてでも見るのがつらい。 しょうがないなぁこの人

      • 深呼吸日記

        はぁ、碌でもないことばかりなので、日記を。 友人が亡くなって、悲しい中であれこれ動いていたけど進まず振るわず、そうすると呼吸は浅くなり、寝てもすぐに目が覚めてしまう。ひととぶつかりがちになり、慢性的に頭痛もする。さらに今日は夕飯を支度していたら突然電話があり夫がバスの中で倒れた(?)となって、慌てて病院に行き、夕飯は用意していた鶏胸肉のピカタではなく病院の長椅子で間に合わせに買ったコンビニおにぎりを食べることになってしまった。今ようやく自分の部屋に帰ってきたところ。緩んだ途端

        • 底の蓋

          世間話からの流れで、 「友人が亡くなって」と話したら、 忙しくして遠ざけていた感情が どっと押し寄せてきた。 “どん底やと思てたら、蓋があったんですわ” 昨日なにかで目にした台詞が そのまんま当てはまる気持ち。 お酒を飲まないでいるのは、 飲んだところで悪い方にしか向かわないから。 逃げず誤魔化さず、 正面から受け止めて越えていくしかない。 これ以上落ちたくないよ

        マガジン

        • 河野宏子 過去の作品
          7本

        記事

          抒情詩の惑星の連載が更新されました

          今回は詩について書いてます。感想聞かせてもらえたら嬉しいです 近況: ツイッターお休み中。飲酒お休み中。 ずっと考えてること。 お酒が好きなのはいい、わたしも大好きだし でもそれが引き返せなくなってしまったとき そうしてでもあの人は生きようとしてくれた、とか その生き方を本人が決めたから、とか 確かにそれはそうなんだけど わたしは悲しいし、ただわたしは悲しい。 本人に言わせりゃ知るかよバーカ、なのかもしれない。 でもあなたが生き方を決めるのと同じく わたしにも悲しんだり

          抒情詩の惑星の連載が更新されました

          セプテンバーラヴごっこ喜美子

          昨日の日記のタイトルはやはり間違っていた。記憶力の良い友人に助けられて、九月一日付で「セプテンバーラヴごっこ喜美子」を名乗ります。昨日使っていた襲名、というのは誰かの名前を継ぐことなので、正しくは改名ですね。理由については昨日の日記を読んでください。 1ヶ月で元に戻すかもしれないし、ひょっとしたらそのままかもしれない。 すみれ September Loveは元祖の一風堂バージョンが一番好きです。 改名といえば、 詩人のキャリアのなかでたくさんの改名をした詩人ということで、

          セプテンバーラヴごっこ喜美子

          ラブごっこきみこ

          タイトルは、昔ちょりにつけられそうになったペンネーム。苗字もあった気がするけど思い出せない。当時関西に住んでいた若手の詩人の集まりで勝敗がつくイベントをして、負けるとペンネームを変えられてしまうという内容だったのだ。 ふざけてるけど本質をついているし何となく憎めない名前だから、今更ながら襲名してもいいかもしれないと思った。わたしの暑苦しさが出てる。 今年の8月は酷かった。もうこれより酷いことは起こってほしくない。 上旬は夫の病気で家族旅行が中止(飛行機代諸々10万円弱が

          ちょりのこと

          はじめて会ったのがいつどこだったかを 簡単に辿れないぐらいは古い友だちで (おそらくだけどpaorretのオープンマイクで、 小さな町屋づくりのお店に若い子が3、40人ぐらい ぎゅうぎゅうだった気がする。 当時はどんなイベントでもぎゅうぎゅうの思い出) 何でも知ってるし 面白い企画をするし 背も高いし 仕切るのもうまかったから 同年代かと思ったら まだ17歳だった  詩の世界がこんなにもユニークで自由なのだと教えてくれた 案内人みたいな存在 ちょりに会ってなければ、 夜

          お知らせ|新しい詩集

          八月十八日に、わたしの新しい詩集が発売されました! 「何にせよ愛に行き着く」税込で1,100円。 Amazonで購入いただけます。 目次: メロディ セーブ 爪 水底 蜜 夏至 ビバーク ペンギン 翼 ひかりのあくま 何にせよ愛に行き着く 潮 ボーナストラック的に: 国道(2004年ごろの作品) あとがき: 最も個人的なこと といったラインナップです この一年ほどでnoteに書いたものをまとめました (現在は一部の作品を除いて非公開にしています)。 今回は表紙も自分で

          お知らせ|新しい詩集

          もうすぐ新しい詩集ができます

          詩人になって二十年にして 二冊目の詩集がもうすぐできます。 今回は表紙のイラストを描くのも、 デザインも内容のレイアウトも すべての工程を自分で少しずつ進めて 詩集をつくるハードルが自分の中でうんと下がりました。 上の写真は校正刷りと言って、 仕上がりを確認するためのもの。 ほぼ完成品が届くものだと思っていたら 表紙に無慈悲な「再販禁止」の帯が…… とはいえ順調です。 月末に発売予定にしていたけど もしかしたら少し前倒しにできるぐらい。 世界中のどこからでも Amaz

          もうすぐ新しい詩集ができます

          日記|こまつな兄妹

          家族と自分の体調不良で八月の前半を棒に振ってしまった。 息子は夏休みで、インスタントラーメンの作り方や冷凍食品の温め方を習得し少しだけ大人に近づいたが、それでも部屋を散らかし続け失くしものをし続けている。宿題はやっているらしい。丸ごと信じてはいない。ゆっくり夕飯が食べられる日は映画を観ていて、昨日は「ゴーストバスターズ2(なぜかいきなり2)」、今日は「グレムリン」。息子は映画音楽が好きで聴くとすぐに覚える。ちょっとした才能だと思う。 数週間前、小松菜でナムルを作ろうと切って

          随想|詩が地平から飛び立つ瞬間

          りりちゃんの手記 言葉が詩になる要素ってなんだろうと考えて、 それは平坦な言葉からの’離陸’だとしたら。 いただき女子りりちゃんの獄中手記をツイッタでよく読んでいる。 日記のような体裁で、食べたものや見えるもの、看守とのやりとりなどの 記録で始まっていることが多い。 時にだんだんとそれが内面に向かっていくにつれ 独特のエモーションが生まれて詩になって飛翔することがある。 これが彼女にしか書けない文章、胸に迫るみずみずしさで、 思わず涙が出てしまいそうになることもある。

          随想|詩が地平から飛び立つ瞬間

          明日のパン 出演できなくなりました

          わたしの体調不良により、 明日のイベントに出演できなくなりました。 8月7日(水)「明日のパン」 @阿佐ヶ谷mogumogu 杉並区阿佐谷南1-36-15マガザン阿佐ヶ谷3F 入場料2,000円+ドリンク代 第一部 オープンマイク 1人5分、事前エントリー優先 音源・楽器の使用はセッティングに時間のかからないものならOK 第二部 ライブ 出演:河野宏子+伊奈昌宏(台風クラブ)/山本恭子+馬野ミキ/今村左悶 イベント全体の進行をミキさんが引き受けてくださったので、 開催はさ

          明日のパン 出演できなくなりました

          詩|明日のパン

          夕方にはいつも明日のパンのことを考えている。駅前のスーパーの窓越しに青から桃色へと移っていく空の色を眺めながら、4枚切りの食パンと鶏の卵、きび砂糖、ラム酒、牛乳、バターをカゴに放り込み、賞味期限本日付けのコロッケパンも入れる。帰り道に歩きながら食べるつもりで。 会計を済ませて商店街に出ると虚無僧が托鉢をしていたので食べるつもりだったコロッケパンを本日のパンとして差し出すと美しいイギリス英語でRock ‘n’ Roll might not solve your problem

          日記|書けない!

          詩が思ったように書けない、 こう、手癖で「こんな感じやろ?」みたいなことはできても、 そこから出られない。 書き上げて見返して、しょうもな!と思う。 ずーーーーーーーーーーーーーっと、ここ1ヶ月ぐらい。 いやもっとかもしれない。 あと、書けないことの他にもたくさん、 どこに気持ちをぶつけていいかわからない現実ばかりが周りにあるので わたしは踊ってばかりいる。 踊ったとて何にも解決しないし、この ’解決しないけど踊ってるさま’をこそ書けよって話だけど。 ピートタウンゼントも言

          詩|関ヶ原

          こんな真夜中にも遠くで蝉が鳴いて 命を 結ぼうとする力は 怖ろしくて 美しい 八月 眠気のジェルに とぷんと浸かって  透き通って つめたい 青色の まどろみ あなたはどうしてるんだろう  今 ごぜんにじ 起きてる?  眠っていてほしいような この静けさを 遠くから 分け合いたいような  夜中だから はんぶん 夢のなかだから  テレパシーだって使えそうな気がして 万有引力は ひきあう孤独の力だっていう 七十年も前にあの詩を書いたお爺さんは 昔からずっと あんなきれいな目をし