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【動画制作者向け】動画制作は儲からない

大変残念なお知らせです。

動画制作は儲かりません。

誰かに「動画制作は儲かるらしいから、未経験でも転職してみたら?」と言われたことがある方、やめておいた方がいいかもしれません。

もちろん、職業選択の自由があるので、無理には止めませんが、儲かるから儲からないかで言うと、確実に儲かりません

儲からないのは、動画制作は労働集約だから

世の中のビジネスには、労働集約知的集約という分け方があります。

労働集約は、時間で労働者を拘束して、生産させる仕組みの仕事です。例えば、工場で働く人たちのことですね。

一方で知的集約とは、人間の頭脳を使って飛躍的な生産性を上げる仕事のことです。例えば、工場で働く人の効率を上げるために、作業自動化のシステムを開発する。これなんかが知的集約になります。

動画撮影はともかく、動画編集は知的集約じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、動画編集は労働集約です。

知的集約というのは、1時間かけたなら1時間かけた以上の収益が上がる仕組みでなければなりません。

一方で、動画編集には時間がかかります。かかった時間の成果物は、クライアントに対しては一定の価格でしか売れません。もちろん単価を上げることもできますが、上すぎると市場競争の原理で売れなくなります。

動画制作はクライアントから依頼を受けて、依頼内容に応じた動画を制作して納品するビジネスですから、契約した単価以上の収益は望めませんよね。

知的集約は、レバレッジ(てこの原理)のように、1の投資に対して、10にも20にも膨れ上がるような、そういうイメージに近いです。

動画ビジネスに知的集約はあるのか?

あります。でも、動画制作ではありません。

広告収入

YouTuberの人たちが、YouTube広告の収益を得ていることは一般にも広く知られるようになりましたが、動画の知的集約とはああいったビジネスモデルのことです。

有料配信

あるいは、自分たちの動画をサブスクで配信するなど。例えば、メンタリストDaiGoさんはYouTubeでも人気ですが、Dラボという独自の動画配信サービスも

素材販売

あるいは、動画素材を販売するなどのビジネスモデルもあります。日本だとPIXTA、Adobeを利用してる人なら、Adobe Stockなどが有名でしょうか。ShutterStockや、iStockphotoなどもありますね。

これらは、自分が撮影したビデオ素材や、自分が作ったモーショングラフィックの動画やテンプレートファイルを販売できるサイトです。

手数料は取られますが、一度作ったものは半永久的に販売されます。動画制作と違い、お金をもらえることが決まっていないのに撮影や制作に時間を費やす必要がありますが、その後は長い期間に渡って収益を得られる可能性が高まります。

eラーニング

これは、直接動画制作とは関係ないのですが、動画で何かを教えることを、eラーニングと言います。昔からあるビジネスで、古くはDVDなどにダイエットやヨガのコンテンツをつけて販売されていましたね。ビリーズブートキャンプとか。

これが、今はネットで動画配信できる時代になりました。有名なのは、UdemyとかTeachableなどがあります。


動画の知的集約では儲からない?

まず、Dラボのようなサブスク配信の仕組みは、作ろうと思えば作れます。

vimeoやmishといったサービスで、有料動画配信のサービスを作ることはできます。

https://vimeo.com/jp/

ただ、その有料動画配信サービスで何を配信するかが問題です。

先ほどのDラボは、メンタリストDaiGoさんそのものがコンテンツです。DaiGoさんは著名人なので、ファンもたくさんいます。メンタリズムという彼の話す内容に、需要があるわけです。

こういう需要の高いコンテンツを持っている人や会社(コンテンツホルダー)と組まないと、儲かる仕組みを作るのは難しいと考えます。

動画素材販売も、撮影や素材作りに時間がかかります。当然、その時間に対して報酬は発生しません。

そして、素材を販売しても、必ず売れるとは限りませんし、安定して定期的に売れるというものでもありません。

eラーニングも同じで、まず学習テーマに沿った動画教材を作る必要があります。この教材づくりで時間をかなり使うので「もし教材が売れなかったら…」と考えるとゾっとします。

最後に:労働集約と知的集約、相互にバランスよく

ここまで述べてきたように、うまくいけば知的集約の動画ビジネスは爆発的に「稼げる」可能性を秘めています。

しかし、基本的には時間やお金の投資が必要で、うまくハネない可能性も考えられます。

その分、動画制作は労働集約とはいえ、受注した案件分しっかり制作すれば、その対価が支払われるので、かけた時間分を取りっぱぐれるということはありません。

最初から知的集約を目指すと失敗した時のリスクが大きいため、まずは動画制作で自分の食い扶持を確保してから、少しずつコツコツと知的集約のビジネスにシフトしていくのがいいですね。

今日はこの辺で。

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