見出し画像

第1回 名刺は、小さなブランディングアイテム。

構成と文:上田浩平 イラスト:安村シン

今回の名刺制作(第0回の話)にあたり、
デザイナーの安村シンさん(以後、シンさん)が
打ち合わせ中、いろいろぼくに
質問をしてくれました。

ぼく(上田)が今回じぶんの名刺をつくる上で、
どういう名刺にしていきたいか、
これからどういう姿勢で
仕事をしていきたいかなど、
ぼく個人の想いだったり、考えだったり、
プライベートな話もたくさんしました。
こちらの話に呼応するかのように、
シンさんからも、いろいろ話をしてくれました。

2人による打ち合わせ兼雑談が
盛り上がってきた頃、
ぼくは、ある大きな失敗に気づきました。

当初目的に入れていた連載記事用の
録音テープを回すのを、
うっかり忘れていたという失態。

気づいたところで、慌ててテープを回しはじめる
というグダグダのところから、話はスタートします
(準備って大事です)。

画像4

テープ収録 2020/1/14  
名曲・珈琲 新宿らんぶるにて。

じぶんのことは、じぶんだと気づきにくい。

(打ち合わせをはじめて、しばらくして、テープを回すのを忘れていたことに気づいて回し始める)

上田  
最初から(テープ)録っておけばよかったですね。

(今までお互いに話したメモを見返す)

シンさん 
けっこう、すでに重要キーワード
(名刺づくりに必要な情報)が出たなと。

上田  
あ、出ました?

シンさん
「覚悟やスタンスを形にしたい」っていう……、
名刺のテーマみたいなのを、ぼくはメモりました。

上田  
なるほど。
ありがとうございます。
じぶんで言ってて……
(あまり重要だと思っていなかった)。

シンさん
そうなんですよ、
だいたい自分で言っていることの、
「あ、そこがポイントなんだ」っていうのは、
自分だと気づかないと思うんですよね。
(相手にことばを)拾われて、
たしかにそうだなぁみたいな、
そういうことって、誰でもあるっぽいです。
僕もよくあるんですけど。

上田
そうですね。
インタビューしてても、
インタビュイーさんから、
たまに質問していたら、
「あ、そういう質問はじめてされました」
みたいなこと言われたことありました。
こっちは普通に聞いてるだけだと思うんですけど。

シンさん 
(相手が)こういうことしていたら、
普通に(こういうこと)考えているだろうなって
こととか。

上田
うん。

なにしゃべりましたっけ?
覚悟とスタンスの話はしましたけど……、
シンさんが言ってたのだと……、
すみません、取材前提の打ち合わせに
なってるんで、
どっちが目的になってるんだろう……。
※そもそもの目的は、
「取材をすること」と
「名刺の打ち合わせをすること」

シンさん 
まぁ、両方っていうのが、
おもしろいスタイルだと思います。

上田  
そうですね。
個人的にはね、じぶんの身売りじゃないですけど、
コンテンツとして、なんか役立つ……プラスα、
仕事としてお願いしてますけど、
アイデアをいろいろ付き合わせていく過程を……、
遊びっていう言い方が適切かどうか
わからないですけど、
たのしみながら(打ち合わせを)やるって
いうのがあると、いいなぁ
と思います。
仕事仕事しちゃうと、
いろいろと言いづらいときもあるんで……。

シンさん 
いいときもあれば、悪いときもあるんで。


名刺づくりはブランディング。

上田  
シンさん的には、個人名刺をつくるときは
コストやパフォーマンスに見合わないけど、
やりたいっていう。

シンさん 
そうですね。
なんていうのかな、
けっこう簡単な名刺をパパッとつくって、
「じゃあ、これでいくらです」みたいなことも
できる世界なんですけど、
でも、その人にほんとうにピッタリのものを
つくるとなると、実は、けっこう大変で……。

上田  
うん。

シンさん 
だけど、その大変さっていうのを、
あんまりみんなの共通認識として、
ないと思うので、
「名刺でそんなにコストかけられないよ」って
ことになるんですよ。

上田 
なるほど。

シンさん 
だけど、それやって、
「(相手から)いい名刺だった」ってなったら、
「じゃあ、なんか別のをお願いしようかな」
とかなったら、うれしいなとかあるし、
そういうのを見て、別の人から依頼がきたりして、
人とのつながりみたいなのが
増えるかもしれないっていう、
その(自分が)動き続けるための……っていうので
やっているところもあるし。

最近世の中で、ブランディングがどうのこうのって
言われていると思うんですけど、
僕自身もそのブランディングっていう仕事を、
中心にしていきたい
と思っているんですよ。

上田  
ブランディング。

シンさん 
ブランディングっていうのは、
相手がどういう人で、
サービスや企業にも言えるんですけど、
「これは、これこれこういうサービスなんじゃないですか?」
というのを、
どんどん深く深く、
こう知っていって、
それを、他の人に知ってもらうために、
見え方とかを調整したりとか、
出し方を調整したりとかっていう仕事が、
ブランディングだと思っていて。


名刺っていうのは、それの一番小さなサイズの
ブランディングアイテムだと思っていて、
ホームページでそれをやる人もいると思うし、
でもそれ以外だと、あんまり施策がないと思う。
まぁ、SNSのアイコンやバナーっていうのも、
そうだと思うんですけど、
僕は、あんま興味ないので、
(詳しくは)わかんない(笑)。 

上田
そうですね。

シンさん 
だから、さっきお話のあった、すごい分厚い名刺
(上田が過去仕事で交換したある写真家の名刺)
の人とかは、それで、
ブランディングまではいかないと思うんですけど、
その渡す相手に対して、
なんかすごいこだわりの強い人がきたなって
思わせてると思うんです。

上田  
うん。

シンさん 
そういう人が撮る写真って、たぶん、
こだわりが強いんだろうなって、
自然と相手に印象が残ると思うんですよね。
そういうことが、名刺一枚でもできるというか。

上田  
そうですね。
結局、ぼくがもらった名刺の中で、覚えてるの、
その人ぐらいですから。

シンさん 
そうだと思いますよ。
普通は、残らないですから。

やり過ぎても、怒られたりもしますから。
めっちゃでかいやつとか、透明で読めないとか、
嫌がる人も出てきたりするので。

上田  
あと、大量に渡す前提だと、そんなにこだわって
つくれないよねってことになりますよね。

シンさん 
なります。
単価があがっちゃうんで。

上田  
だから、バランスかなと思うんですけどね。

シンさん 
そうですね。
もう、絶対これがいいっていうほどのものが
出来たときに、
コストが圧倒的に高かったら、
たぶん「無理だよ」ってなると思うし、
釣り合いがとれるところで、たぶん、
提案する段階で、
グラデーションじゃないですけど、
段階で出せたら一番いい感じになると
思うんでけど、
このぐらいのコストだったらこれぐらい、
けっこうその……普通の紙でも、
いろんな使い方とかあって、
その一番よくある、
これは提案するわけではないんですけど……。

(いくつか名刺のサンプルを見せてもらう)

画像1

シンさん 
例えば、真っ黒な紙(写真左)に、
白で文字刷ってあるとかって、
そういうのって、印刷一色だけなので、
そんなにコストかかんないですけど、
「なんだこれ」みたいになるってのが、
時々あるし、
クラフト紙(写真真ん中)とか使ってて、
黒で色とかだったりしても、
差別化はちょっとあるってのは、
そんなにコストはかからないし。
こういう分厚いやつ(写真右)とかは、
たぶん紙を何枚も重ねるんで、加工してて、
分厚くしてるんで、
これはコストけっこうかかりますね。
段階を経て提案できればと思っていますが、
まぁ、それはでも、こんなに高いものは普通は、
必要としないと思うんで。

上田  
そうですよね。

シンさん 
そこじゃないところで、(今回)たぶん、
勝負することになるかなと思ってます。

上田  
たぶん、紙の材質がまったく無視できないとは
思うんですけど、
個人的に 
「名刺に何を載せるのか?」
「なぜ、それを載せるのか」
かなと思っていて。

シンさん 
うん。

上田  
ぼくも、ぶっちゃけ言うと、
あまりこういう名刺にしたいっていうの、
あまり具体的にはなくて。

シンさん 
うん、ない方がいいと思います。
「いいと思います」って言うのも変ですけど、
それを探っていくっていうのが、
たぶんいいかなと思います。

上田  
もう「こういうのが欲しいです」って言うと、
それになっちゃいますよね。

シンさん 
それだったら、たぶん僕の出番が
あまりないかもしれないですね、
ひょっとしたら。
もちろん、やるにはやるとは思うんですけど、
ただ、そういうところ見て、
(今回)依頼頂いているわけじゃないかなと。

上田  
そうですね。

シンさん 
うえぽんさん(上田の愛称です)は、
屋号とか決まっていますか?

上田  
ああ、まだ考えてないですね。

シンさん 
意外と、そういうところから、イメージが、
決まっていくかもしれないですね。

上田  
屋号。

シンさん 
屋号です。
僕は、言っときながら、自分で学生時代に、
ポンと考えちゃって、全然なんのひねりもなくて、
僕の名前だけ入ってるだけなんですけど。

上田 
シンワークス。

(名刺を見せてもらう) 

画像2

シンさん 
これは、印刷の実験用に、
今いろんな種類つくってるんですけど、
これとかおすすめしたいですよね。

画像3

上田  
ああ。

シンさん
ぽってりしたやつとか。

上田  
いろいろつくったんですね。

シンさん 
そう、ただただ実験したいっていうだけで、
つくったんですけど。
こっちの方が、すべすべかな。

上田
あ、そうですね。
ちょっと、服のコートとかの感じの。

シンさん 
そうそう。
ベルベット加工っていう、すごい特殊なやつで、
おもしろいから、いろいろ試してますね。
こういうのを使うかどうかっていうのは、
たぶん今回はわからないですけど、
実験するのはおもしろいなって
いうだけの話ですね。

上田  
シンさんのあのホームページ見ましたけど、

シンさん 
お恥ずかしい(笑)。

上田  
歯車。

シンさん 
歯車。

上田  
歯車になればいいなぁという。

シンさん 
そうそう、そうです。


<つづきます>

次回はこちらです。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

サポートありがとうございます。カフェでよくnote書くことが多いので、コーヒー代に使わせてもらいますね。

スキをくれた、あなたはきっといい人ですね。
98
たのしい時間を編集する人。クリエイターをサポートする人。アニメ→ゲーム制作・PR→フリー。2019年『居心地の1丁目1番地』という本を、オンラインコミュニティ「前田デザイン室」と「コルクラボ」の仲間と制作。違和感や琴線に触れたことを書いています。好きな本は『岩田さん』『三四郎』。

こちらでもピックアップされています

コンテンツ編集者の備忘録。
コンテンツ編集者の備忘録。
  • 174本

小説、漫画、ドラマ、アニメ、映画、イベント、コミュニケーション、広告などありとあらゆる媒体がコンテンツと呼べます。「コンテンツ編集」視点で書かれたnoteを公開していく予定です。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。