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「分析的アプローチ」と「統合的アプローチ」

同じ情報でも、人によって見え方が違うものです。
今回は、物事を見る力について考えてみようと思います。

物事を見る方法は、大きく2つあります。
一つは、「分析的アプローチ」、もう1つが「統合的アプローチ」です。

●分析的アプローチは、分けることが基本

分析的アプローチによるの見方の典型的な例が、「ロジックツリー」です。
ロジックツリーとは、一番左に大項目を記載し、この項目を右側で分解していくものです。

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●世の中を静的なものとして扱う

世の中を静的なものとして見ています。

止まっているものとして捉えるというものです。
世の中をスナップショットとして捉えていき、その中身を見ていくために、分解します。
分析的アプローチの基本は、とにかく分けていくというものです。

全体として何が起きているのか理解することは直感的には難しく、その中身を正しく捉えるために、分解してみていいきます。 

全体として見ていても、すべてがパッケージ商品のように含まれている状態になっていては、どこにチャンスがあり、どこに問題があるのかを発見することができません。そこで、パッケージをパーツパーツに分解いき、その詳細を見に行くのです。

●適切な切り口を選択すること重要

「分析的アプローチ」で大切なことは、物事を正しく見るために、適切な切り口を選択することです。切り口の違いで、見えてくるものが違ってきます。

切り口のことを、軸とか軸足と言ったりもします。

例えば、顧客分析をする際に、顧客をどのように分けるかで、見え方は大きく分かって来ます。どこにチャンスがあるのか?もしくは、どこに大きな問題が潜んでいるのか?切り口次第となってきます。

このように切り口の選定は非常に重要ですが、ある程度、定石となるような切り口が存在しますので、まずは、その切り口を使えるようになることが大切です。それが、いわゆる「フレームワーク」と呼ばれるもので、非常にパワフルなツールです。

ただし、フレームワークを知っていても、うまく活用できなければ意味がありませんので、うまく使いこなせるようになることが重要です。


●統合的アプローチは、つなげることが基本。

2つ目の方法が、「統合的アプローチ」です。

ぐるぐるした図が典型的なアウトプットイメージです。このぐるぐる図は、循環図はとも呼ばれますが、世の中の繋がりを図示したものです。

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●世の中を動的なものとして扱う

世の中は動いており、それぞれの要素がつながっているものとして、世の中を見ていきます。

何か起きている背景には、何か原因が潜んでいる。

何かが起きれば、その影響が次の何かにつながっていくと見ていきます。

●目に見えない潜在的なつながりを感じる。

統合的アプローチのでは、世の中のつながりを把握しようしますので、目の前に見えるものだけでなく、見えない世界まで視野に入れていくことになります。

つまり、顕在化されていいない、潜在的な世界までも含めた世の中のつながりを見に行くことになります。

え、見えないものの見る!そんな感想をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。見えないものは、見えないですよね。それは、正しいリアクションだと思います。見えないものは、見えませんので、世の中の深い部分で何が起きているのか、感じることが大切になるのです。

目の前で起きている現象は、あくで表層的部分であり、その深層で起きていることは何か、感じることになります。

●人材育成の現場においては、分析的アプローチが主流。
しかし、最近は、統合的アプローチの注目度もあがってきています。

研修プログラムとしては、分析的アプローチを扱うことが圧倒的に多いように思いますが、昨今は、統合的アプローチの必要性が叫ばれており、研修プログラムとしてご提供させていただくことも増えてきました。

分析的アプローチと統合的アプローチは、どちらが必要というわけではなく、どちらも必要な力だと思います。


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