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「信頼」されたい。

「人に信頼されるような人間になりたい。」

数年前、何の目標もなく、ただふらふらと
平凡な毎日を過ごしていたとある大学生は決意した。

そして、そこから4年たった今、
自分は信頼されるような人になれているだろうか。

この目標は、2019年の冬、
当時私が大学2年生だった時に立てた目標像である。

今思い返せば、どれだけざっくりとした目標だろう、と
笑ってしまいそうになってしまうが

当時の私は、それだけ承認欲求に飢えていた。

多分、以前の私と同様に
この思いを持っている人は少なくないだろう。

会社で上司に褒められるようなひとになりたい。
部下に尊敬されるような人になりたい。
従業員に慕われるような社長になりたい。

一介の大学生だった私は、
当時20歳の若造に優しく、厳しく、
「社会とはどういうものか」を教えてくれた
師匠のうちの一人からひしひしと教わったのである。

当時、私はMLM(マルチレベルマーケティング)事業に
携わらせてもらっていた。
わかりやすいところで言えば、
アムウェイとかニュースキンとかの
いわゆる勧誘活動をしていたのである。

学生という身分でありながら、
(正直グレーゾーンではあるが)
形式上、法律の問題なく動くことができ

「営業とはどういうものなのか」
「人に好かれる人はどういう人なのか」

恥じずに人に話しかけに行くことだ、
陰キャを極めていた自分に、清潔感を出せだ、
髪すらセットしたことなかった自分に、髪はこうすべきだ、と
1~10まで教わった。

だが、成果は出なかった。
話しては
「嘘くさい」
「信じられない」のオンパレード。

入会した人にも
「お前を信じるんじゃなかった」
「お前なんか死ねばいいのに」
と言われ、私はこの事業を辞めてしまったのだ。

原因は明白だ。
師匠の教えが悪かったからでも、
MLMという環境が悪かったわけでもない。
(現に同じ大学で成果を出している人がいたから)

“在り方”

マインドの問題であった。
「稼げたらいいなぁ〜」くらいにしか今の尺度で言えば
考えておらず、
しかも師匠には取ったアポの虚偽報告。
少しでも自分をよく見せようと必死だったのだ。

こんな人間が、外面をどれだけよくしたところで
その本質は顔や仕草や態度にあらわれ
「人に信頼される人」とは程遠い存在になっていたのである。

そしてそれは他の面にもあらわれる。
アルバイトでは仲間にうまく馴染めない。
遅刻はする。寝坊はする。
「ごめんなさい」の外面だけ良くて、それを見破られたところとは
何度おさらばしたか数え切れないほどだ。

人の喜ぶことをし続けろと自己啓発本に書いていた。
でも、人の気持ちなんてわかるわけがない。
人がどうやったら喜ぶのかなんて、その時次第だろと
完全に思考を放棄していた。

そして、人からの信頼は失墜していった。

そして、私はふと振り返った。

自分の体調がすぐれない時に気にかけてくれたこと。
ビジネスパートナーが成果の出ない自分を鼓舞してくれていたこと。
親が誰にも負けない、無類の愛を与えてくれていたこと。

そんな愛を自分も誰かに与えられる人間になりたい、と。

そして、今。

仕事仲間に喜んで欲しい。
自分の一行動で上司に喜んで欲しい。
愛するパートナーに涙して喜ばれたい。

そのためなら、私は頑張れる。
頑張りすぎて、辛くなったときもあった。
でも、そんな経験があるから、今があるんだと思う。

この毎日が、宝物なのだ。

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