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日本とオーストラリアで複業する働き方 ふたつの国でふたつの仕事をする

はじめに
複業、ダブルワーク、パラレルワーク、分人、などさまざまな言い方がありますが、現在2つの仕事を同時に行なっています。働き方の選択肢が広がる中で、本業以外に副業をしたり、あるいは2つの仕事を掛け持つというのは今では珍しいことではないかもしれません。
オーストラリアでも、複数の仕事をされている方の話はよく聞きます。私の知り合いで、大学で教鞭を取りながらコンサルティング会社を経営し、民間企業のリサーチャーとしても働き、さらにワイナリーを運営して、4つの仕事をされている方がいます。この方はかなり特殊ですが、複数の仕事をしている方は多いようです。
私の場合、一つは、日本の企業で事業企画や空間設計、リサーチの仕事。もう一つは、オーストラリアでインテリアを中心とした空間設計の事務所を運営しています。二つの仕事を二つの国で並行して進める、その働き方についてノートします。

経歴
オーストラリアには、2018年に家族で移住しました。現地で事業を開始したのは1年後の2019年で、現在5年ほどになります。それまでは、日本の企業で 15年、R&D やオフィスや教育空間の設計を行なっていました。日本の大学、大学院を卒業してそのまま日本の企業に就職したため、旅行や短期留学以外では海外での教育や就業経験がないまま移住することになりました。詳しい経緯は別の機会に書こうと思いますが、40歳で海外移住を経験することになりました。

複業という働き方
日本の企業では、主には海外の事業企画やリサーチの仕事、あるいは空間設計の仕事に携わっています。ほとんどの仕事は、チームとして動き、中長期的なテーマを議論することも多くなります。
それに対して、オーストラリアでは設計事務所として、主にクライアントからの依頼に基づいてオフィスや住宅などの空間設計の仕事をしています。メルボルンのデザインパートナーとともに、ほぼ最小単位の小さなユニットで仕事を行い、依頼されるプロジェクトも短期間のものが多いです。また、ランドスケープの提案やデジタル空間のショップ体験など実験的な取り組みも行なっています。
この2つの仕事は、非常に対照的です。5年後、10年後の抽象的な構想を考えているかと思えば、一方では数ヶ月後に完成するバスルームのディテールの納まりを考えるようなことをやっています。考える時間軸やレイヤー、スピード感、また仕事で出会う人たちもまったく異なります。

日本とオーストラリアでは、文化的な背景や歴史的な成り立ちが異なる一方、ある種の共通理解の基盤があるのを感じるところもあります。その中で、二つの国で仕事をすることは、離れているがゆえに客観的に見えたり、違いの中からそれぞれの良さを感じたりすることができます。
私の海外複業は、その時々によって、物理的にも思考的にも時空間をいったり来たり。それぞれに思いを馳せながら、そして実際に影響を与え合いながら(なんとか)成り立っているのかと思います。

日本の企業、そしてオーストラリアでの起業、性格の異なる二つの仕事を実際にどのように行うのか。それについては、次回のテーマとしたいと思います。


image courtesy:  Pok Rie / Pexel

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