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All Shots Of A Film #14 Kodak GOLD200 w/CONTAX T2

こんにちは、みしぇるです。

ことしの桜は早いと言われていたものの、実際にはなかなか開いてくれない日々が続いていましたね。
そんなふうにぼくらをやきもきさせておきながら、咲いてしまうと全力の春で殴りかかってくるような勢いで、これもまたいつもどおりかもな、なんて思っています。
今週はお天気が下り坂で、相変わらずの儚さを見せてくれそうですね。

このnoteを書いている時点でのきのう、2ヶ月ぶりにフィルムを現像に出しました。
ことしは数本ずつこまめに現像をするという目標のもと、今回は6本の現像をお願いしたのですが、その中に久しぶりに丸々みなさんにお見せしたいなと思える1本があったので、1年ぶりにこの企画が帰ってきました。

ぼくは撮影を終えたフィルムを友人にもらったマスターボールの虫かごへとつぎつぎに放り込んでは、わしづかみにして手に取った数本を現像へと出しているので、出かけ先で撮り終えてそのままお店へと足を運ぶということがないかぎりは、基本的にデータを受け取るまでいつごろ撮影をしたフィルムなのかがわからないというブラックボックス方式を採用しています。

ゲット感があっていいですね

なので、春の写真を載せそうな前置きをしておいてなんですが、これから載せるのは冬の写真たちです。

何日かにまたがっていて、流れの途切れている写真もありますが、ほぼすべてがぼくの暮らす町で撮られたものです。
散歩をしながら写真を撮った、ほんとうに何気ない、派手さのかけらもない写真たちなのですが、いまのぼくにはとてもしっくりくる写真たちだなあと思ったのです。

セレクトはもちろん、トリミング等の調整もなされていないので水平のズレのような拙さも残っていますが、感動を生むというよりも、この心地よさをほんのすこしでもみなさんに感じていただければと思います。

では、ご覧ください。



































以上、37枚でした。


この町で暮らしはじめてから、ぼくの写真はずいぶんと変わりました。
そうした変化は、自分の写真への向き合い方だとかの精神的な変化によってもたらされたものというよりも、もっとシンプルな、人口や観光資源の少ない土地であることや、働きながら生活するなかでの時間的な制約といった、物理的で、どちらかといえばネガティブな理由によるものです。
ありていに言えば、撮りたいと思えるものがすくない土地でなんとか写真を撮っているということです。

実際に、ここに写っているモチーフの数々は、ぼくがこのまちで過ごした5年強の時間の中で何度も撮ってきた光景で、ネガティブな理由であるとは言ったものの、ぼくはこの町のことをとても気に入っています。

お世辞にも都会とは呼べないし、車を持たないぼくにとっては不便な町と言って差し支えないものではありました。
友人たちに遊びに来てよと誘うほどでもないこの町の風景に何度も足を止めました。

友人よりも、ぼくはこの町で暮らしてきたんだよ、と離れて暮らす家族に見せたい町だと思っています。

ぼくはもうすぐこの町をあとにします。

いちど離れてしまえば、二度とこの地を踏むことはないだろうなと思っています。
それは、好むと好まざるとにかかわらず、この町がそういう町であるというだけのことです。
働いている人間か住んでいる人間。それ以外のほとんどすべての人たちはこの町を歩くこともしない。
そして自分も、ここを離れてしまえばそうした無関係の大勢になる。離れてしまったあとのこの土地にわざわざ訪れるようなインセンティブはほとんどない。
だからこそ、この町がとても愛おしくて、とても切ないのです。

この町で過ごした時間や、残した写真を見返して何度でも涙を流すだろうし、この町をまなざす時間を持つことができた人生を決して惜しまない。

https://twitter.com/ahiru_puka?s=21&t=HAmCmfXJP8DTWfvk72eZuA


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