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古代酒、ワイン。その魅力に迫る。

メソポタミア文明から存在すると言われている、古代酒、ワイン。
そのため、ワインの魅力は、自然に依存している部分が多く
他のお酒と比べてもそれが言えると思う。

そんなワインだが日本では全国各地で
最近、ワインの醸造所(・ワイナリー)が増えている。実は。
(ビールもそうらしいですね!)

とは言っても、“ワイン≒お洒落な飲み物”という固定観念はあり、
コンビニでもワインは常時あるものの、
心理的に距離感のある飲み物なのかもしれない。

そこで、ワイナリーに勤めて2年目の新米(24歳)が
“ワイン≒お洒落な飲み物”というイメージを
過大・過少せず、フラットな目線でその魅力をストレートに伝えていきたい。

土から食卓まで。

ある一定の知名度や評価を受けているワイナリーは
自社畑で獲れた葡萄でワインを造っていることが多い。
日本酒でいうと
お米の栽培から、醸造までを酒蔵が手掛けているイメージ。

同じ作物であっても、
その土地の特徴が味や香り、地勢などに反映されるのはよく聞く話だが
これは葡萄でも同じ。
フランスと日本、同じ品種の葡萄を食べ比べたら、
もちろんプロか一般の消費者によって感想はまちまちが、基本的にちがう。

何がそうされているのかというと、その土地の特徴(そして、気候)だ。
そして、それは、食卓の上でも発揮される。

牡蠣が有名な場所で作られたワインは、当然、牡蠣との相性が良い。
それは、“白ワインだから、”とか言う理由だけでなく、
似た土の質や気候条件が似ているから組み合わせやすいと言える。

極端な例だと、ワインの漫画(神の雫)では
キムチに合わせられるワインを探すエピソードがある。
ヨーロッパのある地方では、エスニックなスパイス系の料理が有名な場所があり
その土地で作られたワインだと、結果、相性が良かった。

土から生産者、生産者から食卓まで、1つの線となって繋がって、
“ご馳走様でした。お腹いっぱい~。”
という会話が生まれることは素敵なことだな~と個人的に思う。

カレーは2日目の方が美味しい。

“熟成”と聞いたことがあると思う。

これは一言で説明すると、酸化だ。
赤ワインを飲み、
渋味が苦さ(タンニンと呼ばれるもの)を感じた人はいると思う。

酸化とタンニンの関係をイメージするため、シーソーを思い浮かべて欲しい。

左が酸化。右がタンニン。
渋味が印象的だったときは、シーソーが右に傾いているが
開栓されてワインが空気に触れた時、酸化し始める。
(ちなみに、コルク栓の場合は、開栓されていなくても
コルクと瓶の間に生まれる、僅かな隙間からワインの酸化が進み
結果的に、熟成された美味しいワインになる。)

すると、シーソが左側(酸化)に傾いていき
酸化とタンニンのバランスが安定してくる。
もちろん、自然現象なので実際はこんなにスムーズにいかないかもしれないが、
理屈としては、こうして空気に触れることで
酸化が進みタンニンが和らぎ、
結果としてタンニンが程よく残りまろやかでコクのある深い味わいに繋がる。
これが結果的に“熟成”された状態になっている。
(もちろん、ワインの種類や原料である葡萄にもよる。)

これは家でも出来る。
手で開けられるスクリューキャップやコルクでも。
開けて、1口飲んでみて再び栓をする。
一度、空気に触れたワインは
翌日、飲んでみると味(や香り)に変化が起きている可能性が高い。

これを家でやった時は飲みやすくなってびっくりしたのをよく覚えいている。
普段、ワインを飲まない友達に飲んでもらったが、
千円ちょっとのワインだが、
「え、うま、、、」と感想がかえってきた時はとても嬉しかった、、、

出来立ても美味しいが、2日目も楽しめるように
ワインにも同じことが言えるようだ。

世界で最も古い歴史を持つお酒だからこそ。

自然に受ける影響が多いことは良いことばかりではない。
気候変動が年々、深刻化する中では、地球の気まぐれで、すぐ状況は崩れ落ちる。

けれど、人は人間である前に自然の中に生きる生物だ。
自然に触れて、色んな感動や愉しさを覚え、感性を身に付けて、
人として、自分らしく生きるために衣食住のある暮らしを送っている。

だから、
衣食住という美味しさや目に見えやすい魅力だけでなく
自然の中で培われる、目に見えない魅力も合わせて
たのしい美味しさを感じられる、
そんな余白のある味わいを、プレゼントできることがワインの魅力だと思う。

そして、これは醸造技術が
発達してから造られるようになった
お酒にも言えるし、その他の伝統や文化にだって言えることでもある。

つまり、ワインが特別でもなければ、富裕層が飲むものでもなく
他のものと同じように、暮らしの中に溶け込むような、
私たちにちょっとした幸せを分けてくれるアイテムなのだ。


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