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創作と批評

今日は言葉遊びの会に参加してきた。

この会は友人に誘われて出るようになったのだが、40代後半?〜80代の自分より高齢の方の集まりだ(友人は同い年=42なので最年少である)。

言葉遊びというのは、毎回お題に沿った川柳や都々逸(7775)を持ち寄って、匿名で投票し合うというもの。

参加費は1000円で、毎回主宰の方が景品を用意してくれている(100均で買えるような食べ物や日用品)。

私は就労移行支援施設を先月末で退所したので、この月1回の言葉遊びの会が唯一所属しているコミュニティと言える。

何かサークルに入った方が生活が充実するかなと思いつつ、クラシック関係は特に入りたいと思わないし、あえて挙げれば料理教室。

休みの日は一人でコンサートや芸術鑑賞に行くだけだったので、言葉遊びの会に参加するようになって定期的に顔を合わせる仲間ができたのは思いのほか嬉しい。

3、5、6、7月と参加した。3月以前も郵便投稿で何度か参加した。
サムネイルに上げた狂歌は「みなみくち」の頭文字のお題(初参加のときの作品)。

「いきなり彗星のように才能ある人が現れた。最初からスタイルが完成されている」などとお褒めの言葉をいただいたが、変なネタばかり提出してるから彗星というより中国製のドローンではなかろうか😅

さて、今日はいきなり選者を任された。「愛」という漢字を使った川柳で、川柳の選者2名は当日主宰が選ぶのである。

まだ参加して間もないうえ、最近は互選で全然票をゲットできないので、選者は回ってこないと思っていた。

やってみると非常に楽しい。もともと自分の笑いのセンスと会で評価されるセンスが結構離れていることに多少不満?を持っていたので、自分のセンスを存分に発揮できたのはよかった。

とはいえ、会の参加者に「何でこんな句が上位なんだ」と不満を持たれる可能性は十分ある。
審査というか批評は説得力がないといけない。

もちろん理由をきちんと説明できる基準で選考したが、それでも責任は重大。

作品は上から

天、地、人の三才、五客(5作品)、七秀(7作品)、佳作(15作品ほど)、雲(あれば)となっている。

「雲」というのはお色気ネタや変化球ネタが対象。

五客、七秀、佳作にも全部順位を振るから大変だ。
雲を除いて、1位から30位まで順位をつけるのである。

川柳は一人3作品まで提出可能。今日の現地参加者は10名だが、郵便投稿も7、8人いたので結構な数の作品が集まった。

選者をやって思ったのは、批評(審査)は創作とは違った難しさがあるということ。

自分の笑いのセンスを提示するのだから、自信がなくてはならない。

ある作家が「辛口評論家をどう思うか?」と問われ、「何を貶してるかより何を褒めてるかを見る。『え? そんなの褒めてるの』と思わされる場合も多い」と言っていた。

私が白黒はっきり評価するタイプの批評家(宇野功芳や豊崎由美)が好きなのは、逃げ隠れしてないからである。
自分の批評眼をきちんと提示しているところがいい。

昔に『レコード芸術』を読んでいて一番物足りなかったのは、批評のスタンスがわからない評論家が多かったこと。

褒めてるのか貶してるのかわからない、歯切れの悪いレビューばかりで、どんな批評軸で審査してるのかが一向にわからなかった。

宇野功芳なんて「バッハは抹香臭くて嫌い」とか、音楽評論家とは思えない発言を平気でしている。
だから、バッハに関しては宇野功芳の推薦盤はあまり当てにしない方がいいと思えるのである。

自分と近い批評軸の評論家のおすすめは参考になる。
自分と異なる批評軸であっても、その人の軸の根拠が明確であるなら参考にできるだろう。

最近、互選では全然票が獲得できない。私のネタはナンセンス路線で「IPPONグランプリ」的なインパクト重視なので、作品一覧を見た時点でかなり浮いている。

自分の作品はともかく、これは傑作だと思える作品に票が集まらないと悲しい。
互選の都々逸や狂歌は◎(2点)を1個、○(1点)を12個選ぶ。
私と他の人では相当選ぶ作品が異なっているだろう。

今日は初めてお会いする方がいた。私より少し年上?の女性Mさんで、以前よりその方のギャグ色の強い作品のファンだったので、ファンであることを伝えられてよかった。

作品をひねることも楽しいが、選者を務めるのは自分の批評眼を確認することになるので、そちらの方がやってて面白いかもしれない。
何せ時間をかけて作品を考えても、最近は互選で上位に食い込むことが少ない。
ウケそうなネタを作るのは気が乗らない。やはり自分の好きなテイストのネタがいい。

といっても、入選しなかった作品は会報にも載らず日の目を見ないからやるせないが😅

今日は都々逸と狂歌をそれぞれ2作品ずつ提出して、狂歌で1票だけ獲得した。

「あかはなま」が頭文字の狂歌で、

新しい
彼女のスマホ
はっとする
那須与一が
待ち受け画面

こんなアホな作品ばかりなのでウケが悪いのだが、○をつけたのがMさんだったので嬉しかった。

機会があったらまた選者をやってみたい。それとMさんの選でぜひ上位入賞したいものである。

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