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学生服リユースショップさくらや研究【女性の起業支援塾編その6】

 高松信用金庫が主催する女性の起業応援塾「キャリスタ塾」が始まって5年目の2019年から、「キャリスタ塾1.5(one point five)」として、補助制度やITの活用などの「ポイント」に重点を置いた支援をすることになりました。

一歩踏み込んだ実践的な内容に

 それまでのキャリスタ塾は、これから起業を考える人向けの「きっかけ作り」の要素が強かったのですが、「キャリスタ塾1.5」は、それより一歩踏み込んだ実践的な内容になりました。高松信用金庫本部の若手社員が、起業希望の女性のニーズを取り入れながら、内容を練ったのだそうです。

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 メンターは引き続き「さくらや」の馬場加奈子社長が務め、第一回は「香川県よろず支援拠点」のITの専門家による講義を行いました。

 第二回は「Googleマイビジネス」を使ったGoogleマップへのビジネス情報の登録や無料ウェブサイトの作成といった実践的な内容を専門の講師に解説してもらいました。これは高松信用金庫が「Grow with Google」パートナーとして開催したものです。

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 参加者からは、

「様々な営業法があることが分かった」
「いつも何気なく利用しているGoogleが自分たちの仕事にも生かせることができると発見できた」
「ITは苦手なので勉強になった」

といった感想が聞かれました。

 また、高松信用金庫ではキャリスタ塾卒業生を含めた女性起業家向けに、「キャリスタセカンド フォローアップ相談」として、起業後の悩みを相談できる体制を整えました。各支店の窓口で随時予約を受け付け、日程調整した上で相談につなげるという流れです。馬場さんは「地域起業アドバイザー」として関わっています。

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全国規模のイベントにも出展

 2019年10月には、全国の信用金庫がブースを出すビジネスフェア「よい仕事おこしフェア」(東京国際フォーラムにて開催)に、高松信用金庫から「キャリスタ塾」として出展がされました。

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 ブースでは4人のキャリスタ塾卒業生が、飲食・化粧品などの商品を出品して来場者に試供品や試食を提供してPRしました。

 馬場さんは「色々なブースに出向いて、自社のアピールをすることが大切」とアドバイスして、積極的な名刺交換や、バイヤー・出展企業との商談を促しました。生命保険会社時代に目覚ましい営業成績をあげた馬場さんらしい、攻める姿勢です。出展したメンバーは「今後に繋げることができた」と言っていたそうです。

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まとめ

 このようにして現在まで進めてきた「キャリスタ塾」は、総勢120人超の「キャリスタメンバー」を生みました。「キャリスタ塾」をきっかけに、起業に一歩踏み出す女性や、融資を受けて店舗を開業した女性、事業拡大のために店舗をリニューアルした女性など、多くの女性経営者が誕生しました。

 子育て中のお母さん、親の介護をしている女性、シングルマザーなど、起業を目指して「キャリスタ塾」の門をたたく人たちには、女性ならではの背景があります。

 そんな中で、それぞれの人に合った起業のスタイルを発見・再確認していくことが大事だということを、馬場さん自身が「キャリスタ塾」の運営にかかわってきた5年間で学んだと言います。一人一人の意見を大切にした双方向の対話型の塾が有効であると改めて感じるのだそうです。

 そして、馬場さんが「キャリスタ塾」を通じて女性起業者の成長に携わることは、「学生服リユースショップさくらや」の店舗を全国各地で運営する「さくらやパートナー」の育成にも役立っているのだそうです。馬場さんの女性の起業塾への参画は、社会貢献のボランティアにとどまるものではなく、馬場さんの本業にも大いに貢献しているのです。この点も、「キャリスタ塾」が継続している秘訣と言えるのかも知れません。

この編おわり

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