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わかろうとするけど、わからなくてもいい| heyがユーザーと友達になれる理由

月イチの全社ミーティングで「大福」の話をする

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私がフリーランスとして写真や編集をお手伝いしているheyには、月の終わりに全社でそのまとめを共有する「レビュー会」なるものがある。この状況になってからはリモートで行われていて、今月は配信で登壇者のスライドをみながらslackでコメントし合う形だった。GWを間近に控えたこの間のレビュー会で、なんだかheyらしさをたくさん感じたのでnoteをかいてみる。

レビュー会はその月の数字や見通しなどの発表、その月に仲間になった人の紹介やお知らせなどがあり、最後に社長の佐藤さんによるお話がある。新型コロナウイルスの影響にさらされているこの状況下、サービスの戦略や働き方についての話がくるかな、と思っていたらスライドに現れたのは大福の写真だった。

老舗の大福やさんがオンラインショップを始めた、という例をあげながらインターネットリテラシーがあまりない人が自前でオンラインショップをつくる大変さやリスクを話した後、それをサポートする僕らのサービスは、とつづく。さらに、STORESのユーザーがどんな状況にあるかを話し始めたのだ。ただの経済打撃ではないこと、心にまで及ぶ問題だと言っていたところで、その日の朝のフリーランスとしてのできごとを思い出した。

この日は持続化給付金の申し込みが始まる日だったのだ。
そのサイトを開いて、必要事項を入力する。画面に出てきたのは給付条件をクリアしていることを示す給付額。給付もらえるかも、というひとまずの安心と、改めてつきつけられた昨対で半分以下になった売り上げに向き合うのも面倒になってパソコンを閉じた。

そういうフリーランスの私から見ても、社長が話す「お商売をやっている小規模な事業主の現状」はなぜか見てきたようなリアリティがあって怖いくらいだった。そして考えたのは、数百人規模の会社の社長がこういう話を怪談並みのリアリティをもってできるのがどれだけ珍しいかだった。

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これまでみてきた多くのえらい人たちは、ユーザーや読者がどんな生活をしてどんなテレビを見て、どのくらい貯金があって何を楽しみに生きているかの話よりも、どういうビジネスモデルでお金をつくり、どういう布陣でそれを成し遂げるかという話ばかりする印象があった。そういうのを「経営目線」と呼ぶのかなと思っていたし、そのかわりユーザーの方を見つめていることが自分の役目のように思うこともあった。
heyで当たり前に起こっている奇跡的な鳥の目と蟻の目の行き来が、heyらしさの源のような気がしてならなかった。ユーザー目線というやつだろうか?いや、それだけではなさそうだ。

自分の仕事とお客さんの気持ちの行き来

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この行き来はheyのメンバーに取材していてたびたび感動する場面のひとつでもあった。
例えばデータアナリストのチームに取材した時、数字にとらわれてひとりのユーザーの体験を損なう可能性にいつも気をつけていると言っていたし、カスタマーサポートの女性に取材した時は、業務は業務だからその日のやりとりはすぐ忘れてしまうと言いながら、誰かに手紙を書くようにお問い合わせの返事を書くという話をきいた。
自分のはたらくパートを客観的にとらえながらもお客さんのことを想うのが当たり前なのだ。

わかろうとすること、わからないことを受け入れること

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それだけではない。heyの人はなぜか、いつでもユーザーに会おうとする、作ったものを買ったり食べたりしようとする、関わろうとする。
STORESでネットショップをかまえたお店でほとんど食べ物を買っている人もいるし、ほぼ毎日お買い物しちゃってる人もいる。STORESターミナルを使っているお店が近くにあるとなれば出かけていく(時々シャイすぎて何も言わずに帰ってくる)。「ほんとにほしくなってきた」と全ての取材先の店舗で買い物をしている担当者と出会ったのは初めてのことだ。そこに私は「徹底的にわかろうとするけど、無理にわかろうとしない」という不思議な矛盾をはらんだ姿勢をみる。

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heyのお客さんたちは、人生かけてお商売をやっているお店であり、職人であり、クリエイターであり、アーティストであり、そういう人たちだ。憧れても好きになってもその目線に立つのは時々限界がある。まして、ロジックでその全てを紐解くこともできないし、本人ですらわからずにやっていることもあるだろう。それを、完全に解剖してわかることをあきらめて、楽しんでいこう、というのがheyのメンバーの基本姿勢だ。

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これは誰かと友達になるプロセスと似ているんじゃないだろうか。友達になる時に、年収がどうだからとか、おしゃれだから、と友達になる理由から考えはじめるひとはいないだろう。
「なんかいいから、好きだわ。」くらいの感じでheyのメンバーはいともたやすくユーザーと友達になり、肩を並べて歩き始める。社長ですらそうだから、全社ミーティングで最優先で伝えるべきことは困っている友達の気持ちだったのだろう。

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緊急事態宣言がのびた。
その影響がこれでもかとお商売をやる小さな個人にふりかかる今、そういう人たちにサービスを提供するheyが必要な機能やサービスを届けられるかが彼らのひとつの生命線になろうとしている。フリーランスとしてheyをちょっと外側から眺めているわたしは「heyがやることはめちゃ大丈夫そう」と確信を持っている。

どんなに予想外の世界がやってきても、heyのメンバーはユーザーの作ったものをどんどん買って、お店に訪ねていって、買い物をして、関わって、楽しんでいくからだ。そこから生まれるサービスはめちゃ大丈夫そう。五感をフルに使って楽しんだその体験は、ユーザー目線なんて言葉を超えたものだから。それに、めったなことで目先の利益のためにユーザーを見捨てることもない。だってそれを友達とは呼ばないでしょ。

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