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"I can't breathe"-日本在住の人に知ってもらいたい今アメリカで起きていること

今何が起きてるの?

Mr. George Floyd (ジョージ・フロイドさん)が5/25の夕方に亡くなった。ミネアポリス(ミネソタ州)の白人警察官が約9分近くフロイドさんの首にひざまづき、のちに病院でフロイドさんの死亡が確認された。

色々なニュースを読む限り、ことの始まりはフロイドさんが街角の売店で20ドル偽札を使おうとしたこと。店側が気付き警察を呼んだ。プラス、警察官曰くフロイドさんは"under the influecne"の状態であったという(お酒や薬の影響下にある状態のこと)。でも本当にそうであったかはもう確かめることができない。拘束時フロイドさんは武器をもっておらず、対抗し暴れる様子もみられなかった。

全米各地で暴動、プロテストが起きている

もはやゲームの世界で見るようなおぞましい光景が数時間ごとにインターネットでアップロードされてる。もちろん静かに暴力無しで抗議する人もいる。でも、メディアでよく見る動画には花火や瓶を人や建物に投げたり、ビルや建物、車に放火する過激なプロテスターもいる。

例えばミネアポリスーセントポール間にある橋で抗議デモ行進をしようとしてデモ参加者は警察から催涙ガスの攻撃を受けた。

ミネソタ州知事はデモの鎮圧のためにNational Guard(国家警備隊)を約1万人派遣した。

ナッシュビル(テネシー州)ではプロテスターが歴史的な裁判所の建造物や小さいビジネス店舗に放火し、暴徒化。警察は催涙ガスを撒いて攻撃的な人々を鎮圧しようとした。その結果、門限令が発令されて夜10時以降外出できないようになったし、市長は緊急事態宣言も出した。

一つ知っておいてほしいのはデモを起こしている人々は様々なバックグラウンドをもっている人たち。白人だけでもないし、黒人だけでもない。アジア人だけでもない。アメリカでは言論の自由が保証されている以上、目的や理由をもってプロテストやマーチをすることになんの問題もない。今回の場合は人種差別問題や元警察官に正当な処罰を与えるべきだというような主張が多いと思う。

問題なのはその運動に便乗して特に目的をもたずに器物損壊や放火をする人々がプロテストに紛れ込んでいるということ。そういう人々がデモを必要以上に攻撃的で過激にしている。

今起きてるコンテキストを除いたとして、物や建造物に火をつけること、人に対して物を投げるなどの行為は「犯罪」。だから警察はその過激な輩を制圧しようとゴム弾や催涙ガスを使ったり、人々を逮捕する結果になる。

負のサイクル。警察はカオスの中で秩序を正す存在であるべき。大勢の人々が過激な行動を公共の場ですれば、調和を戻すために警察が出てくるしかない。本来なら市民を思って乱れを正すべき警察官が暴力的だったり、強引な行動をとってしまっているのは色々な動画を見ればわかると思う。

今現在National Guard は最低11州で派遣されてる。(5/31 8PM) そしてNational Guard自体国民の平和を守るための部隊であることを知っておいてほしい。

なぜ人々が暴動しているのか?

簡潔に言えばフロイドさんの死に正義を求めているから。

フロイドさんが拘束された時にいた4名の警察官はミネアポリス警察署から5/26付けで解雇されている。フロイドさんの首にひざまづいたDerek Chauvin (デレック・チャウビン)容疑者はthird degree murder(意図的ではない殺人)とsecond degree manslaughter (日本でいう過失致死に近い)の罪をに問われる。保釈金は$500,000 (約5400万円)。懲役は最高で35年にもなるらしい。

でも、現場にいた他の3人にはまだ何の罪状も告げられていない。人々は他の3名にも罪があるとして強く抗議している。でもこれが騒動を大きくしている根幹のエレメントではない。

根本にあるのは人種差別問題

今までもたくさん白人警察官が無実な黒人に暴力をふるったり、逮捕する事件はたくさんあった。たくさん。人々は今までできる限り平和な方法で平等を訴えてきた。もちろん歴史的に過激なデモが起きたのは知っているけど。フロイドさんの事件がアメリカにいる人々に訴えた。今まで以上に強く。

日常生活で無意識に人種差別してない?

黒人はこういう人種だ、って決めつけてない?

白人の方が上だと思ってない?

過激な暴動の背景とアメリカの歴史

17世紀から徐々に奴隷がアフリカからアメリカ大陸にやってきたのが始まり。でも人として全く扱われていなかった。あくまでもcargo and commoditiesとして。つまり「貨物」。

ヨーロッパからの移民たちがコットンやタバコ農場などで安く働かせるために奴隷を「輸入」しはじめ、だんだんとその文化が広がっていった。

奴隷に関する歴史は長くて複雑だからここでは全てかけないけど、気になる人は調べてみて。

1865年 13th Amendment (修正第13条) で奴隷が禁止される

1868年 14th Amendment (修正第14条)でアメリカで生まれた全ての人に市民権と平等な法の保護が保証される

平等が保証され、奴隷も禁止されたはずなのに、この後ずーっと1954年まであまり人種差別に対して大きな変化はなかった。Jim Crow政策っていうアフリカ系アメリカ人に対する制度的な差別システムが人の中で強く強く刷り込まれていった。

人種隔離が連邦最高裁に違憲だと認められたのが1954年のBrown v. Board of Education (ブラウン対教育委員会裁判)

南北戦が終わった1945年以降から徐々に公民権運動をしていた人々はこの判決を境に1950-60年代にかけてさらに動きを強めた。その結果、当時大統領だったLyndon Baines Johnson がこの二つの法律を議会で通した。

1964 Black Civil Rights Act of 1964 人種による全ての差別や隔離を禁止

1965 Voting Rights Act 投票における人種差別の廃止

アフリカ系アメリカ人たちはMartin Luther King. Jr. やその他のリーダーと共に非暴力的な方法を主に使いながら不条理で不平等だった環境、法律をゆっくり変革し"自由"を手に入れた。

元々全ての人々に保証されているはずだった平等と法律の保護。

それを彼らは今まで戦って得なければならなかった。

潜在的な人種差別の恐ろしさ

でも、フロイドさんの事件やその前に起きた数々の力関係。白人対黒人。もちろんその他の人種を含めた事件もある。

白人警察官が黒人をあたかも「黒人であるから」という理由だけで逮捕したり暴力をふるうう。そして殺されてしまった人もいる。

その逆を私は聞いたことがない。

アメリカ人の中に潜在的に存在するこの「人種差別感覚」

もちろんアメリカに関わらず世界中にもあるだろう。

そしてそれを疑問にも思わない当事者。なぜ、当事者たちはこう考えられないのか。

自分にされたくないことは相手にもしない

人種がどうこう言う前に、人間として持つべき理性、論理感覚はどこに行ってしまったのか

そんなことを今アメリカにいる多くの人々が感じている。

だからプロテストしてるのだ。

おかしいことにはおかしいと声をあげて訴える

今までも似たような事件が起きた時にも抗議してきた。だけど、9分もの間一人の人間が首を膝で押さえつけられて"I can't breathe"「息ができない」と言いながら亡くなっていく映像がメディアで流れてくる。こんなにも視覚聴覚的に直接訴えかけてくる事件に対して何もアクションをとらない方が人間性を疑う。

私のインスタグラムやフェイスブックには大学の友人や知り合いたちが毎日フロイドさんの事件に関する投稿をしている。

Black Lives MatterやAll Lives Matterなどの運動に参加したり、自分の意見を色々な言葉を使って発信している。

私はその "_____lives matter"どちらの運動がいいとか、どちらを選んで活動に参加するべきなど意見を述べる気は一切ない。定義は人によって解釈が違うし、その解釈が違うからあなたはおかしいと否定したり議論することに意義があると思えないから。

今最も大事なのは理解すること。知ろうとすること。知り合いに学んだことを共有すること。人を差別しないこと。

色々調べて自分ができることに参加すればいい。それが署名運動であったり、インスタで発信することであったり、どんな形でもいいと思う。自分ができることをしてほしい。そしたら自分の住む世界が少しづつ変わっていくと思うから。目に見えなくてもいい。少しづつ。

Raceとは?人種って何?

私が今日読者のみなさんに絶対に覚えてもらいたいことを今から書きます。

人種って英語でraceと言います。16世紀の啓蒙時代以降、科学者や哲学家は人類をカテゴライズしようとしました。肌の色などを使って。

そして18世紀ごろ人間の”科学的分類”を肌の色や頭蓋骨の形を使って考え出したのが「人種」というアイディアの始まりです。

人類学という学問も「人種」というアイディアの始まりについてとても大きく関わっているので大学でも一番最初に習います。

この社会的に作られたアイディアはFranz Boasという人類学者によって強く否定されますが、社会にとってこの人間の分類が画期的であったため全世界の人に受け入れられてしまいました。

Raceは生物学的に定義することは一切できません。人間の遺伝子はほぼ同じだからです。唯一できるのは容姿から推測すること。ただし推測です。

何が言いたいかというと、人種はただの文化的社会的コンセプトなのです。つまり人間はみんな同じ人間 Homo sapiensである、それだけのこと。

肌や髪、目、その他身体的特徴が違うからと言ってグループ分けし、勝手なイメージを持って思い込むべきではないし、押し付けてもだめです。

この人種というアイディアが、人を見下すこと、暴力、さらには人を殺す、という行動の是非のものさしになってしまっていることが悲しいです。

心が痛い。人々にfaithを失いたくない。

だから日本に住んでいるみなさん、自分とは容姿の違う人が日本を訪れた時、自分が海外に旅行しに行った時、笑顔でいつも通り接してあげてください。相手も自分と同じ人間です。

相手が笑顔で自分に話しかけてきたら嬉しいでしょ?

人間みんなそうされるの好き。だから笑顔で人を差別することなく生きようよ。

情報websiteなど

The New York Times  Live Update

CNN

あとはみなさん自分で調べてみてください。ハフポストとかに日本語の記事がいっぱいあると思います。中には惨く、悲惨な動画もあると思います。でも地球人として何か考えて行動するべきだと私は思う。決して他人事じゃない。

次の投稿ではhappyなことがシェアできるといいな。

Love,




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