向後千春の「200字/1000字/1万字の法則」
2017年2月8日
(水曜日はフリーテーマのコラムを書いています)
研修設計の専門家であるRobert Pikeは、授業・研修・訓練の時間の区切りについて「90/20/8の法則」を提唱しています(『クリエイティブ・トレーニング・テクニック・ハンドブック[第3版]』)。
パイクの「90/20/8の法則」というのは次のことを示しています。
90分以内に1つのセッションを終わること(休み時間を入れる)
20分以内にペースを変えること(レクチャー、グループ活動、ビデオなど)
8分ごとに参加者になんらかの活動をさせること(ワークシートに書く、質問に答える、内容をまとめるなど)
熟達した講師や先生は、パイクの「90/20/8の法則」を知らないうちに活用していて、参加者を飽きさせず、集中させるようにしているのですね。
今回書きたいのは、このパイクの90/20/8の法則を文章に当てはめてみるとどうなるかということです。
文章もまた、そのちょうどよい長さがあるのではないかと思うのです。それは人間工学的にあるいは認知心理学的にみて、読んで理解するためのちょうどよい文章の案分があるのではないかということです。
たとえば、一段落の長さは200字前後にすると読みやすい文章になるという経験則は色々なところで見られます。私自身も『200字の法則 伝わる文章を書く技術』という本を書いているくらいです。
そうすると200字の段落を5個くらい連ねるとひとかたまりの文章として読めるものになります。1,000字前後の文章ですね。これくらいの字数ですと、40字25行でレイアウトするとA4判1ページに収まります。これを「1節」とすると、7節くらい集めると1万字くらいの「1章」になります。そしてこの章を7つくらい集めると「一冊の本」になるという感じです。
まとめると、
200字の段落 これを5つで
1,000字の節 これを7つで
10,000字の章 これを7つで
一冊の本
これを向後千春の「200字/1000字/1万字の法則」と命名して売り出したいと思います。
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